「から紅の恋歌」作品データ

評価
感想
冒頭紅葉のセリフ。「賑やかで楽しそうですな。まるでカフェみたいやわ。」
京都人は嫌味だっていう偏見ですよね、これ。
阿知波会長の声、攻殻機動隊の荒巻課長の声だ!素敵!
たまたま来た大阪のテレビ局で爆破予告とか、今更ながらコナン一行の疫病神感が凄いです。
劇場版では終盤爆破が定番ですが、今回は序盤から爆破です。
煙と炎から逃れ、呼吸を確保するために屋上へ上がる平次と和葉。
コンクリート製の屋上ではないため今にも崩れ落ちそうです。
そこで平次が心の中で叫びます。
「俺一人やと無理や、俺一人やとな、工藤ォーーーー!!!」
いやいやいやいや、おかしくね?!
救助ヘリも消防も救出不可能な状況なのにただの高校生にそこまで期待する?
しかも小1に縮んでるのに?
いや、ここは平次が新一をそこまで信頼しているという熱い友情シーンなんだと思っておきましょう。
そして例によってイチかバチかやるっきゃない状況で、今回も見事やってのけるコナン。
出ました!原作・TVアニメではいまいち活躍しないのに、劇場版ではやたら活躍場面の多いスケボー!
もうね、飛びすぎだしね、動力どうなってるんでしょうか?
あと、スケボー型じゃなくてもいいんじゃないですかね。
アクションがどんどん化け物じみていきます。
毎度のことながら、博士の発明が凄すぎです。
身体が小1に縮んでいる工藤よりも先に下に降りちゃう平次。
推理で本気出してるときの帽子のかぶりかたです。
今頃かよ、とか言ってはいけません。
一方コナンは脱出ルートがなくて絶対絶命ですが、テレビ局の隣に川が流れていることを思い出します。
しかし、そこまでジャンプするために加速する助走スペースが足りません。
(そもそも助走スペースがあっても普通はジャンプしようとは思いません。)
そこでまさかのパラボラアンテナをぐるぐる回って加速します。
遠心力もプラスされるから理屈的には行けそうですけど。
序盤からとんでもないアクションです。
終盤の平次の活躍が霞まないか心配になります。
コナンの意図に気付いでサポートしようとする平次も凄い。
めっちゃ通じ合ってます。
よくそこから後ろ向きで飛ぼうと思ったよね。
腐女子大喜びの展開ですね。
和葉「ちっちゃい頃からいっつも一緒で、平次はあたしの、あたしの・・・。」
もう、YOU言っちゃいなよ!
紅葉「しのぶれど、やな。幼馴染で恋愛ごっこ。ホンマ和みますわ。」
なんて嫌な女なんでしょう。
しかし、京女への偏見も凄いです。
次の皐月杯で平次への告白権をかけて決勝で戦く約束をする紅葉と和葉。
和葉も別にこんな勝負受けなくてもいいのに。
紅葉の落としたパスケースの中から見つかる平次と紅葉の昔の写真。
たまたま外に出ているタイミングで会長宛に矢島が殺されたと連絡が入るっていうタイミングの良さね。
そして当たり前のように現場を見せてもらえる高校生と小学生。
いくら鑑識作業が終わってるからって死体とか見せたらダメです。
ちょっとの会話からすぐに犯人が分かったという2人ですが、あからさまに怪しい人物は犯人ではないのがお約束です。
現場にちらばった百人一首の写真を解析して、矢島が握っていたのがどれか調べてほしいと連絡するコナン。
ほんと灰原をいいように使ってますよね。
ホテルニューオータニでかるたの練習をする和葉。
そこへ平次から連絡をもらった平次ママの登場です。
平次ママが歩いてきたら蘭と子供らが何も言わずにささっと避けて場所をあけてて、それに対して平次ママが当たり前のことのように無反応なところに貫録を感じます。
そんで元クイーンなのかよ!
コナン界隈の人たちは一流じゃない人いないの?
麻酔針シーンはありませんが、今回唯一の眠りの小五郎推理シーンです。
犯人とはいえ年上の関根さんにタメ口の平次。
証拠がないのでうやむやな感じです。
紅葉「ウチは紅葉。あんたみたいなただの葉っぱとちゃいますから。」
と言ってますが「かずは」の字は「和葉」ですが、「万葉」とも書きます。
ただの葉っぱじゃありません。
その後現場に残されたかるた札が「紅葉」が入っている名頃さんの得意札だったことで、あからさまな容疑者として名頃さんが浮上。
ということは犯人は名頃さんではありません。
他人(蘭)にはとっても丁寧にお礼を言う紅葉。
当たりも優しく、平次との約束の話をしてくれます。
「嫁にとったる」なんて言い方しないでしょ、普通。
名頃と皐月の本当の因縁を教えてもらえる高校生&小学生コンビ。
阿知波会長も何でこの2人でそんな大事なことを話すんでしょうか。
なるほど、紅葉の負けん気の強さはかるたの師匠譲りだったんですね。
「しのぶれど・・・」の和葉のシーンの原作カットの挿入、良い演出ですよね。
迷いなく拳で液晶モニターをたたき割る阿知波会長の元秘書海江田。豪快です。
いくら大きめの指輪とはいえ、爆発で吹っ飛んだ小さな指輪をそんな都合よく見つけられますかね・・・。
いや、コナンの洞察力の凄さだと思いましょう。
海江田さんが一番かわいそうな気がします。
指示通り仕事して殺されちゃうんですから。
そして終盤もコナン映画定番の爆発です!
今回は平次主役みたいなものなので、いつも蘭のピンチではなくて、和葉のピンチです。
「そうや、喧嘩したらあかん。あかんねん。エアコンの音、着物の擦れる音、札に触る音、微かな息遣い、そして胸の鼓動。みんな仲間や。あたしの中に入ってきてええんよ。」
いや、知るか!
あんたが勝手に拒絶してたんじゃんか。
何?この突然の達人の覚醒みたいな演出?
いや、洗車するとかしないとか以前に、阿知波会長の車、いくらなんでも汚れすぎじゃね?
お金持ちなのにこんな汚いことある?
あと、平次とコナン、こんだけの悪路を猛スピードで走ってるのに普通に推理の会話できるんでしょうか。
何?ヘルメットにマイク入ってる感じ?
博士の作ったボールを膨らませて滝の流れを変えて消火するコナン。
平次「さすがやな工藤。」
いや、さすがなのは阿笠博士ですよ。
名頃さんの恋は「しのぶれど」がいきすぎて、誰にも分らなかったせいで起こった不幸な行き違いが発端だったということですね。
またしても間一髪で何とかしてしまう小1ボディの工藤君。
平次「しっかりつかまっとけよ和葉!その手離したら・・・殺すで!」
ここを何回見ても笑ってしまいます。
カッコいいシーンのはずなのに。
平次のカッコいいセリフで見逃しがちですが、ここで和葉が平次の手にそっと手を重ねるのがぐっときます。
手、離すなって言われましたけどね。
最後は「和葉ちゃん」とか言って良きライバルみたいな感じで認めるとかね。
ここ、実は結構重要で、名頃の皐月に対する気持ちって、結局のところ「しのぶれど・・・」の歌のように分かりにくい「偲ぶ恋」だったわけです。
「初恋の人」というくらいですから2人は子供の頃からの知り合いだったのでしょう。
つまり、幼馴染相手に偲ぶ恋をしている和葉を否定してするということは、師匠のかるたへの思いを否定することになるわけなんですね。
もしかするとかるたの対戦中の和葉の気迫に師匠の面影を見たということなのかもしれません。
蘭が新一に送った歌。
「めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」
訳:久しぶりにめぐり会ったのに、それがあなたかどうかも分からない間に帰ってしまうなど、まるで (早くも) 雲に隠れてしまった夜中の月のようではありませんか。
で、新一が蘭に返した歌
「瀬を早(はや)み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の われても末(すゑ)に 逢はむとぞ思ふ」
訳:川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。
ひゅー!ひゅー!
すぐに歌も意味も分かってしまうなんてさすが鈴木財閥ご令嬢。