ネタバレ含みますが、犯人には触れていません。読んだ後でも十分映画は楽しめます。
「紺青の拳」作品データ
「紺青の拳」評価
「紺青の拳」感想
前回の怪盗キッド登場映画は第19作の「業火の向日葵」ですが、ストーリーが詰め込みすぎていまひとつでした。
今回は4作ぶりの怪盗キッド登場映画で、ある意味リベンジだと思って期待していたんですが、全体的に最後の爆破仕掛けと今回のメインキャラにスポットを当てることの整合性を取るために、全体的に無理がある印象です。
とはいえそれは「他のコナン映画と比べて」なので、面白いか面白くないかで言えば十分面白い作品です。
あと、コナン映画では初の海外が舞台ということで、現地の人同士の会話は基本英語。
なので、字幕を読むのがめんどくさい。
まさかコナン映画でこんなにも字幕を読むことになるとは思ってませんでしたね。
怪盗キッドメインかと思いきや、メインは京極さんと園子の恋愛の話。
過去作品の中で間違いなく園子の作画が一番可愛く描かれています。
いつもの園子の作画じゃない。
ここはかなり見どころ。
過去にあったか分からないんですけど、園子のヘアバンドがとれて前髪がたれます!
これ、凄くないですか?
かなりレア。
今作は少年探偵団がお留守番だったので、阿笠博士のクイズないのかなーと思っていたら、冒頭にもの凄いてきとーにねじ込まれてましたw
OPまでは結構遊びが多いです。
キッドは工藤新一に変装してるんですが、修学旅行編の後なので新一と蘭が付き合ってはじめて行動を共にしています!
蘭が積極的にくるので新一に化けたキッドが照れる場面も多かったですね。
まあ、蘭は新一が最初から偽物だと気付いていたらしいので、キッドを油断させるためだったのかなと、思いました。
キッドが工藤新一に変装してるので、ほとんどの時間コナン(アーサー・ヒライ)と行動を共にします。
事件の謎解きも2人で進めていく感じ。
キッドがほとんどもう一人の主人公状態。
というか、全体的にコナンの影が薄い。
映画ではいつもそうなんですけど、謎解き要素は少なめです。
最初に最新鋭の警備システムにキッドが侵入して、失敗するシーン。
キッド「まさかテーザー銃を持ってるとは」
はぁ?いや、銃弾よけてるのにテーザー銃よけれないわけなくない?
てゆーか、その程度は想定してなくても対処できるんじゃ…
ここ、キッドが弱すぎて違和感なんですよ。
その後京極さんと戦うんですが、たぶんテーザー銃よりも速い京極さんの攻撃はしっかりかわしてるんです。
2回目に盗みに入ったところでもアクシデントがあったとはいえ、あっさり失敗したり。
今作はキッドが弱すぎなんですよね。
ここはちょっとバランス悪いなと思いました。
園子と京極さんだけで屋台で食事中で悪者に絡まれる場面。
ここもアクションが凄いんですけど、ここで驚くのは、悪者の一人が三節棍取り出したこと。
ええ?!おもむろに三節棍出てくるって香港映画じゃないんだからwww
蟷螂拳らしき武術の使い手も出てきてめっちゃ面白かったです。
例によって謎の人物を調べてもらうために、都合のいい女灰原に連絡。
この「しょうがないわね」とか言いながら調べてくれる灰原の感じは好きです。
ほんと、コナンは灰原への扱いが酷い。
冒頭でもシンガポール行きたくて薬おねだってました。
阿笠博士の家に来る前の少年探偵団の3人が何をしていたかは、プレストーリー第936話「フードコートの陰謀」で描かれています。
終盤、コナン映画ではおなじみの爆破クライマックスに入り、マリーナベイサンズが大変なことになります。
例によって蘭がそこにいるので慌てるコナンというお約束もあるんですが、今回は悪者の園子への対応も見どころ。
なんと、鈴木財閥の令嬢だということに気付いて身代金目的で誘拐しようとします!
やっと気付く奴現れたか!!
今までそれをやろうとした悪者がいなかったことが不思議。
そもそも一人の護衛も連れてないって、鈴木財閥ゆるすぎるでしょ。
京極さんが園子を抱えたまま壁を走ったりして切り抜けてくれるんですけどね。
悪い奴が銃やら刃物やらを持って数十人出てくるんですが、キッドのトランプ銃のトランプが残り1枚しかなく、打つ手がないという場面。
で、コナンが「凄い切り札が残ってる」的なことを言うわけです。
京極さんは色々あって変なミサンガもらって、それが切れないと戦えない的な暗示をかけられてるので、最後のトランプでそれを切っちゃう。
最後の一発でグライダーで飛びながらよく外さなかったな、というところはまあいいんですが、いや、素手の京極さんがプロの重火器+刃物の悪党数十人よりも強いっておかしくない?
解放された京極さんは余裕で銃や刃物装備の悪党を蹴散らしていきます。
この感じはもはやクリリンくらいは強いんじゃないでしょうか。
今回は京極さんが強いから出番ないかなと思ってた蘭も得意の空手を披露。
武器持ったプロの海賊を蹴散らしていきます。
この子もおかしいくらい強い。
コナンが慌てて助けに来てたんですけど、あんまりその必要があったと思えません。
個人的には小五郎が1人背負い投げで倒したところが好きでした。
今回ここしか活躍場面がなかったおっちゃん。
もう2、3人投げてもよかったのに…。
終盤、京極さんが空手のチャンピオンと戦うんですが、園子をおぶったまま戦うんですね。
いやいやいや、天使な小生意気でゲンゾーがでかいリュック背負って戦って負けてたじゃん?
何か背負ってたら圧倒的不利なはずじゃん?
ですが、結構余裕で勝ってます。
相手はめっちゃ吹っ飛んでました。
京極さんだけドラゴンボールから来たの?っていう強さでした。
もう400戦無敗とかそういう次元じゃないですね。
ヤムチャくらいになら勝てるでしょうね。
最後の最後、犯人に何者だ?って聞かれるコナン。
お約束の「江戸川コナン、探偵さ」がここで出るんですけど、犯人にはアーサー・ヒライって名乗ってたからね。
言われたほうはきょとんとすると思うんですよね。
エンディングで帰国する飛行機内に京極さんの姿はなく、京極さんはなんかテキサスっぽい荒野を歩き、また武者修行の旅へ。
京極さんはどこに行こうとしてたの?
何で歩きなの?
今作はとにかく京極さんの化け物さが際立つ映画でした。
そしてエンドロール後は例によって次回作の予告。
次回作はあの人にスポットが当たります。
シンガポールへ聖地巡礼!