甘くて美味しいバナナはうさぎさんの大好物。
ときどきおやつにあげているという方もいらっしゃると思います。
ですが、実はうさぎにとってバナナは危険な食べ物なんです。
以前はバナナを少量与えるのは問題ないと言われていました。
ですが最近は、バナナに限らず果物全般の糖質がうさぎには良くないという見方に変わってきています。
このページでは、なぜうさぎにバナナを与えてはいけないのかについて詳しく解説しています。
うさぎにバナナをあげることのメリットとデメリット
もちろんバナナをあげることにもメリットはあります。
まずはうさぎにバナナをあげることのメリットとデメリットを考えてみましょう。
- 喜ぶ
- 食欲がなくても口にする
- 歯が悪くても食べられる
- 薬を混ぜやすい
- 高カロリーで肥満になりやすい
- 牧草をたべなくなる
- 胃腸に負担がかかる
- 虫歯になる
「喜ぶ」以外のメリットは、「体調が悪いときでも食べやすい」とまとめることができます。
一方でデメリットは大きく、喜ぶからといってあげすぎることで肥満になったり、嗜好性が高いために牧草などを食べなくなったりすることがあります。
特にデメリットで注目したいのが、「胃腸に負担がかかる」という点です。
バナナを食べすぎるとうっ滞や腸炎などを引き起こす可能性があるんです。
その原因はバナナに含まれる「糖質」にあります。
うさぎにバナナをあげてはいけない理由は糖質
下の表を見ていただくと分かりますが、バナナは糖質が非常に高い果物です。
糖質=炭水化物は、生き物にとって必須の栄養素です。
糖質は、牧草やペレットにも含まれています。
そして、うさぎは牧草やペレットから十分な量の糖質を摂取できています。
うさぎは、自分の胃腸ではセルロースなどの糖質を分解することができないので、盲腸に住んでいる腸内細菌が代わりに糖質を分解してくれています。
糖質をたくさんとりすぎてしまうと、糖質の分解に時間がかかり、それと同時に異常発酵を起こして大量のガスが発生。
このため、消化不良を起こして、うっ滞や腸炎、腸性毒血症の原因となることも。
上のメリットの中で「食欲がなくても口にする」というのがありますが、うさぎが食欲がないときは、胃腸に何らかの問題があることが多いので、バナナをあげることで悪化してしまうことも考えられます。
だから、うさぎにバナナをあげるのはリスクが高いんです。
特に高齢になったうさぎは消化機能が低下しているので、うっ滞や鼓張症になる可能性が若いうさぎよりもずっと高くなります。
うさぎに「乾燥バナナ」は与えてもいい?
生バナナはうさぎに危険ですが、おやつとして売られている乾燥バナナの場合はどうでしょうか?
乾燥バナナの場合、100gあたりの糖質は、およそ3分の1の7~8gに減少します。
それでもあえてあげるほどのメリットはないので、あげるのであれば、完熟バナナではなく、青バナナの乾燥がおすすめです。
青バナナは熟したバナナより多くの難消化性デキストリン(食物繊維)やフラクトオリゴ糖を含んでいます。
どちらも整腸作用があり、消化を助けてくれるので、どうしてもバナナをあげたいのであれば青バナナの乾燥をあげましょう。
うさぎも喜んで食べてくれます。
バナナ以外にもうさぎが喜ぶおやつはたくさんある
また、バナナ以外にもうさぎの喜ぶおやつはたくさんあります。
そして、ただ美味しいだけでなく、うさぎにとって必要な栄養が多く含まれているものもたくさんあるんです。
例えば青パパイヤや青マンゴーの乾燥。
この2つにはブロメラインという酵素が多く含まれていて、この酵素が飲み込んだ毛のたんぱく質を溶かしてくれるので、毛球症対策になります。
好き嫌いはありますが、どれも喜んで食べるうさぎさんは多いですし、必要な栄養がたくさん入ったサプリです。
与えて問題ないどころから、与えることで健康になるのですから、わざわざ危険を冒してまでバナナをあげるメリットは何もありません。
ちなみにバナナの茎で作ったおもちゃも問題ありません。
うさぎにとって本当に幸せなのは…
「うさぎも喜んでいるから食べさせてあげたい」
「好きなものを食べさせてあげたほうが幸せだ」
という気持ちは分かります。
ですが、人間と違って、うさぎは自分で食べ物を選ぶことができません。
あげたものが気に入れば飼い主さんを信じて何でも食べてしまいます。
うさぎにとって本当に幸せなことは、「できるだけ長い間大好きな飼い主さんのそばにいること」なのではないかと、私は思っています。
人間にとってのお酒と同じで「少量だから大丈夫」なだけで、体には良くありません。
バナナを食べさせることのすべてを否定するつもりはありませんが、バナナをあげることで消化不良を起こすリスクがあることだけは認識しておきましょう。
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