うさぎに毛球症という病気はない?うさぎの消化器障害について整理しました。

うさぎ飼いの方がうっ滞とセットでよく耳にする病気に「毛球症」があると思います。

換毛期などのグルーミングで飲み込んだ毛が、フェルト状の毛玉になって胃腸がつまってしまうというあれです。

ですが、うさぎの消化器の病気の症例研究が進む中で、「毛球症」という診断名が見直されてきています。

今回は、毛球症やうっ滞、それに関連した消化器障害の症状・原因・因果関係を整理したいと思います。

毛球症はうっ滞の原因ではない?

以前はグルーミングなどで飲み込んだ毛が、胃の中でフェルト状の固まりになることでうっ滞を引き起こすと考えられていました。

ですが、最近は、胃腸の運動機能が低下することによって消化管のうっ滞が起こり、その結果として、毛球ができるのではないかと考えられています。

毛球ができる→うっ滞になる ×

うっ滞になる→毛球ができる 

毛が固まる原因もよく分かっておらず、グルーミングで飲み込んだ毛が胃で直接固まったものではないかもしれないとも言われています。

有力な説としては、盲腸で固まった毛球が盲腸糞に包まれて排出され、うさぎが盲腸糞を噛まずに飲み込むために、固い毛球のまま胃や小腸の出口をふさいでしまうという説です。

なので、最近は診断名として「毛球症」という言葉を使わない獣医さんも増えてきています。

(「毛球症」のほうが一般化していて分かりやすいので、分かりやすく説明するためにあえてその言葉を使う獣医さんもいます。)

うさぎの「うっ滞」とは

出典:http://exoticpetdata.blog33.fc2.com/blog-entry-4.html

草食動物であるうさぎの消化管(胃腸)は、常に繊維質を食べて動かし続けなくてはなりません。

この胃腸の動きが、何らかの原因で止まってしまうことを「うっ滞」といいます。

うっ滞は、主に以下のような要因で起こります。

うっ滞の原因
  • 季節の変わり目(気温・気圧の急激な変化)
  • 脱水
  • 泌尿器の疾患
  • 病気
  • ケガによる痛み
  • 不正咬合
  • 毛球や異物による閉塞
  • その他のストレス

うっ滞が起こることでこの後説明する「腸閉塞」や「鼓脹症」、「急性胃拡張」に発展し、最悪死に至る場合もあるので注意が必要です。

特に高齢うさぎは、消化器官の機能が低下しているため、よりうっ滞を起こしやすくなっています。

うっ滞によって腸がつまり気味になると、消化管内にガスが溜まります。

すると、うさぎはじっとうずくまって動かなくなったり、時折りおなかを伸ばしたりとどこか落ち着かないような態度をとります。

また、痛みのため歯軋りをすることもあるので、様子がおかしいようであれば、獣医さんに診てもらいましょう。

うさぎの「腸閉塞」とは

「腸閉塞」は、簡単に言うと、腸が毛球などの異物でつまった状態のことです。

胃の出口や、小腸と盲腸の合流するあたりで起こります。

うさぎの消化管全体図出典:https://sippo.asahi.com/article/10562392

胃の直後がつまった場合、胃の中にガスが溜まって「鼓脹症」や「急性胃拡張」へ発展してあっという間に悪化し命の危険にさらされます。

腸の後ろの方でつまった場合は、症状の悪化は比較的ゆるやかではありますが、危険な状態であることには変わりません。

うっ滞が腸閉塞へ進行する場合もありますが、それとは関係なく、突然腸閉塞を起こすこともあります。

高齢うさぎの場合、本来であれば胃腸の動きで自然に排泄されるはずの異物が、消化器官の機能低下によって、うまく排泄されずにつまってしまう可能性が高くなります。

すぐに病院へ

腸閉塞の場合、緊急を要するのですが、胃腸を動かす薬が逆効果になる場合があります

プリンペランなどの常備薬を持っている場合でも自己判断であげることをせず、必ず獣医さんに診てもらってください。

うさぎの「鼓脹症」とは

「鼓脹症」は、胃や腸がガスによって膨らんでしまう状態のことです。

↓正常なうさぎのレントゲン写真

↓鼓脹症のうさぎのレントゲン写真

出典:http://exoticpetdata.blog33.fc2.com/blog-entry-4.html

うさぎの胃腸にはたくさんの腸内細菌が住んでいて、食べたものを分解して必要な栄養素を作り出しています。(これを「発酵」といいます。)

発酵の過程でガスが発生しますが、何らかの原因でこのガスが大腸のほうへ抜けていかずに胃腸に充満している状態が「鼓脹症」です。

この状態だと食べ物も食べられず、水も飲めません。

胃が膨らんで血管や他の臓器を圧迫して、うさぎが痛みを感じており、歯ぎしりをすることがあります。

元気がなくなり無気力になって体温も下がっています。

胃は体の左側、肋骨のすぐ下くらいにあるので、触ってみると風船のようにパンパンに膨らんでいるのが分かります。

更に進行するとよだれのように、口から胃液があふれてきます。

すぐに病院へ

この場合も、胃腸を動かす薬が逆効果になる場合があるため、薬を持っている場合でも自己判断であげることをせず、必ず獣医さんに診てもらってください。

胃が張っているかどうかは、普段の状態がどうかを日頃から確認しておきましょう。

うさぎの「急性胃拡張」とは

そして、一番恐ろしいのがこの「急性胃拡張」です。

腸閉塞→鼓脹症→急性胃拡張と進行するケースが多く、急性胃拡張にまで発展すると、命の危険がかなり高いため、緊急に何らかの処置が必要です

出典:http://exoticpetdata.blog33.fc2.com/blog-entry-4.html

写真の白く丸い影はすべて胃です。

ここまで胃が膨らむと、他の臓器を圧迫して、機能をかなり阻害しています。

心臓が圧迫され血圧も下がり体温も低下します。

うさぎ自身も激しい痛みを感じているため、まずは鎮痛剤の投与が必要です。

それから脱水を引き起こしているので、体液組成の調節のために皮下注射や点滴で電解質の補給を行います。

また、胃内のガスなどを取り除く必要があるため、口や鼻からチューブを入れて胃の内容物を吸引したり、場合によっては手術で閉塞を起こしている異物を取り除く処置が必要になります。

適切な治療を行ったとしても数時間から数日で死亡してしまうこともある恐ろしい病気です。

MEMO

脱水時の電解質摂取にはアクアコールがあると便利です。

常備しておくことをおすすめします。

うさぎの消化器障害を予防するには?

消化器官の働きを正常に保つ

何よりも大事なのは消化器官が活発に動いていること。

そのためには繊維質を多くとることと、腸内細菌のバランスを崩しやすい糖質などを摂取しすぎないことが大事です。

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結局はチモシーなどの牧草をたくさん食べていることが大事ですね。

そうは言っても高齢になると消化器官の活動は衰えてきますし、腸内細菌のバランスも崩れやすくなります。

なので、食べ物に気を付けてあげることに加えて、消化器官の働きを助けてくれるサプリや、そうした効果のあるおやつをあげるようにしましょう。

おすすめは以下の3つです。

乳酸菌は腸内細菌のバランスを整えてくれます。

それから青パパイヤは、ブロメラインという酵素を含み、飲み込んだ毛のたんぱく質を溶かすのでおすすめのおやつです。

「ヘアーボールリリーフ」にもブロメラインが配合されていて、毛球対策に必須の常備薬(サプリ)です。

ブラッシングとグルーミング

抜け毛を飲み込まないようにブラッシングとグルーミングもしっかりしてあげることが大事です。

うさぎが歳をとると、関節や筋肉の衰えで以前より上手にグルーミングができなくなっています。

特にお尻周りはぼそぼその毛が放置されがちです。

また、ブラッシングとグルーミングで触れ合う中で、うさぎさんの普段の状態をよく観察していれば異常があったときにすぐに気付いてあげることもできます。

ぶり返しに注意

私の飼っていたうさぎの場合もそうでしたが、うっ滞から回復したと思ったら数日後、数週間後にぶり返すということがよくあります。

うっ滞が治った後は体力も落ちて胃腸の働きは弱まりやすくなっているので、しばらくは気を付けてあげるようにしてください。

うさぎの消化器障害 まとめ

今回は、うさぎの消化器障害について整理しました。

うさぎの病気のほとんどがうっ滞などの消化器障害からくるものです。

うさぎは少し苦しくても平気そうに振る舞う動物なので、普段から気を付けていないと、うさぎの不調になかなか気づけません。

普段の様子をよく観察して、少しでも異常が出たらすぐに獣医さんに診てもらえるよう準備しておきましょう。

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