おうちのうさぎの目をのぞき込んで、ぼんやりと白く濁っているようなら要注意です。
高齢になってくると、動物も人間も白内障や緑内障などの目の病気はどうしたって発症してしまいます。
もちろんうさぎだって例外ではありません。
高齢になって発症する白内障を「老年性白内障」といいます。
「老年性」とは言いますが、実は3歳以上のうさぎはもう気を付けたほうがいい病気なんです。
今回はそんな老年性白内障についてまとめました。
うさぎの白内障ってどんな病気?
白内障とは
白内障は、何らかの原因で本来は透明な水晶体が濁って視力が低下する病気です。
水晶体が白く濁ってしまって、光を通さなくなることで視力が低下していきます。
加齢だけでなく、ケガや歯の異常、その他の病気の合併症、エンセファリトゾーン(寄生虫)の感染などによっても発症します。
ただ、うさぎの白内障は、まだ臨床データが十分に集まっていないので、はっきりした原因などの詳しいことはそれほど分かっていません。
白内障が進行すると
白内障の進行はそれほど早くありません。
目の奥に白いもやのようなものが見え始め、数年後に目に見えて白く濁っていきます。
これはうちで飼っていたうさぎの晩年(12歳)の写真ですが、黒目の中央が白く濁っています。
この状態でも、光だけは感じていたようです。
白濁がはじまってから少しずつ視力が低下していき、最終的にはほとんど視力が失われます。
ただし、うさぎは元々視力が弱く、ほとんど聴覚と嗅覚からの情報だけで身の回りの状況を把握しているので、視力が低下していてもそれほど問題なく生活できます。
このため、飼い主さんが進行に気付きにくい病気です。
進行が進むと、視力が失われるだけでなく、ぶどう膜炎などの他の合併症を引き起こします。
こうなると、眼圧が上がったり、水晶体が正常な位置から外れてしまう「水晶体脱臼」を起こして痛みが出てくるため、最終的には眼球を摘出しないといけなくなったりします。
うさぎの白内障の治療法
白内障の治療については、人間でも動物でも同じですが、
- 濁った水晶体を超音波で砕いて取り出して洗浄する手術
- 目薬で進行を遅らせる
のどちらかしかありません。
完治させるには手術が必要です。
臨床経験のある獣医さんも少なく、費用も高額(片目で20~50万円)なので、獣医さんからは積極的には進めてこないことがほとんど。
うさぎは、視力が落ちても生活に大きな支障はないので、合併症等を起こしていなくて、そこまで病状が進行していないのであれば、目薬で進行を遅らせるのが一般的です。
(もし手術をするのであれば、十分な臨床経験のある獣医さんを探す必要があります。)
うさぎの白内障を予防する方法
白内障予防に効果的な成分は、
- ビタミンC
- ビタミンE
- アントシアニン
- ルティン
の4つです。
すべて「抗酸化作用」の強い栄養素ですね。
アントシアニンはブルーベリーなどに多く含まれ、ルティンはブロッコリーやパセリに多く含まれています。
どちらも毎日与えるのは難しいですが、ビタミンC・Eであればペレットやサプリで補ってあげることができます。
グルーミングなどのときに目をのぞき込んであげて、にごりがないか見てあげることも大事です。
正面から見てよく分からなくても、斜めからのぞき込んだらにごりが見えることもあります。
早期発見できれば進行を遅らせることで長く健康な状態を保つことができます。
黒目の部分が白いという場合に限らず、充血がある、目やにがひどい等の症状が出ている場合も獣医さんに相談するようにしてください。
うさぎが白内障になったら気を付けること
うさぎは元々視力が弱いのでほとんど聴覚と嗅覚だけで周囲の状況を判断しています。
ぼんやりと光や形しか見ていないので、視力が衰えてもそれほど影響はありません。
ですが、それまでとケージ内の配置を変えたり、段差があったりすると、うまく位置を把握できずにぶつかってけがをしてしまいます。
なので、段差はなるべくなくし、ぶつかってけがをしてしまうようなものは外すか、クッションになるものをつけるなど対処してあげてください。
高齢うさぎにとって、白内障は避けては通れない病気です。
早期発見してすぐに対処をはじめれば、その分長く視力を保ってあげることができるので、普段から目と目の周りに異常がないか確認するようにしましょう。
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