うさぎの避妊手術は必要か。費用・危険性・いつまでにやればいいか

メスのうさぎさんを飼っている方は、「避妊手術はしたほがいいのか」というのは気になるところだと思います。

このページでは、メスのうさぎさんを飼っている方向けに、

  • 避妊手術が必要なのか?
  • 危険じゃないのか?
  • いくらかかるのか?
  • いつやればいいのか?

といった点を解説しています。

避妊手術を検討している方も、そうでない方も、是非参考にしてみてください。

うさぎの避妊手術はしたほうがいい

結論から言えば私は避妊手術は必要だと考えています。

その理由は以下で説明します。

避妊手術をすることのメリットとして挙げられるのは以下の4点です。

  1. 子宮がんなどの生殖器疾患の予防
  2. 繁殖防止
  3. 偽妊娠・攻撃性の抑制
  4. スプレー(マーキング)の抑制

①子宮がんなどの生殖器疾患の予防

うさぎの子宮系の病気は、犬や猫に比べても発症しやすく、3歳以上で50%以上、5歳以上では80%以上が子宮に何らかの病変を持っていると言われています。

避妊手術をすべきだというのは、子宮系がんなどの病気の予防が一番の理由です。

「病気になってから手術すればいい」

と考える方もいると思います。

子宮系の病気は命にかかわるため、発症した場合、手術によって子宮と卵巣の全摘出を行うことになります。

ですが、高齢になってから大きな手術を行うことはうさぎにとって大変な負担になります。

であれば体力のある若いうちに避妊手術をして予防すべきだと考えます。

ネットで検索すると、子どもを産めば子宮系の病気になりにくくなる、という情報がありますが、残念ながら信頼できるデータがないため、必ず病気になりにくくなるとは言えません。

②繁殖防止

うさぎは自然界では肉食の動物に食べられる弱い動物なので、高い繁殖力を持っています。

このため、オスとメスを一緒に飼っているとすぐに子どもを産んで、どんどん増えてしまいます。

多頭飼いで繁殖を望まないのであれば避妊手術が必要です。

(病気の予防の観点からオスの去勢手術よりメスの避妊手術の方が必要性が高いので、どちらかをするなら避妊手術をすべきかと思います。)

③偽妊娠・攻撃性の抑制

偽妊娠は、ホルモンの異常で妊娠中のうさぎが行うような、自分の胸の毛をむしって巣作りを行ったりする行動です。

精神的に不安定になり、神経質になったり攻撃的になったりします。

多頭飼いの場合は、うさぎ同士で縄張り争いでケンカをしてケガをしてしまうことも。

飼い主さんとのコミュニケーションも難しく、飛び掛かってきたり、噛みついてきたりすることもあります。

ただ、それ以上にうさぎ自身のストレスにもなっています。

避妊手術をすることでホルモンバランスの乱れや精神的に不安定になることを防ぎ、攻撃性を抑制することができます。

④スプレー(マーキング)の抑制

おしっこを飛ばす「スプレー」は、特にオスうさぎが行う縄張り主張する行動ですが、メスうさぎでもスプレーをする子がいます。

避妊手術をすることで、スプレー行為は9割なくなります。

うさぎの避妊手術はリスクもある

全身麻酔で死んでしまうリスク

避妊手術を行うにあたって一番気になるのは「手術は危険じゃないのか」ということですよね。

もちろん、全身麻酔中に亡くなってしまうリスクというのはあります。

よく「うさぎの麻酔は犬や猫より危険だ」と言われるのは、「麻酔の管理」が犬・猫よりも難しいからです。

麻酔は深すぎても浅すぎてもいけないので、人間の場合は麻酔医が様子を見ながら調整を行っています。

動物の場合は、「気管チューブ」という管を肺に直接挿入して麻酔と酸素を送り込みやすいようにしています。

うさぎの場合だと、この気管チューブを使用するのが難しいため、犬や猫に比べて麻酔管理が難しくなっているんです。

2008年の英国で行われた調査では、うさぎの術後1週間以内の死亡率は0.73%と報告されています(同調査で犬は0.05%)。

とはいえ、子宮系の病気の発症率が8割以上ですから、それに比べればかなり低い数字だと言えます。

また、v-gelという、うさぎ専用の気管チューブも開発され、年々うさぎの麻酔技術も上がってきているので、安全性はこのときより上がっています。

怖いのは麻酔のリスクよりも子宮系の病気のリスクです。

若いうちの手術なら更に麻酔による死亡リスクは減らせるので、若いうちに避妊手術することをおすすめします。

うさぎの手術を多く行っている獣医さんを探してお願いするのが一番です。

不安があれば獣医さんとよく相談してみましょう。

手術後のデメリット

避妊手術をすることで肥満になりやすくなるというデメリットがあります。

手術後は、繁殖に対するストレスや関心がなくなり、基礎代謝が下がることで体重が増えやすくなります。

肥満は色々な病気の原因にもなるので、食事の管理が必要になります。

うさぎの避妊手術の流れ

術前検査

当日または事前に検査を行います。

麻酔をかける

まずは麻酔をかけて心電図などをとりつけます。

毛を刈って消毒する

お腹の毛を刈って、切開箇所を消毒します。

卵巣子宮を切除する

1時間程度の手術で卵巣子宮を切除します

縫合する’]切開箇所を縫合します。

獣医さんによっては抜糸のいらない方法で縫合ます。

その日のうちに帰宅

入院は必要なく、薬もいりません。帰宅後は普通に生活してOKです。(病院によります。)

画像引用元:http://exoticpetdata.blog33.fc2.com/blog-entry-55.html

うさぎの避妊手術はいつやればいいか

生後6か月前後が理想です。

遅くとも4歳までには行ったほうがいいでしょう。

生後1年以上経つと、多くのうさぎが腹腔内に脂肪が多く沈着してしまい子宮・卵巣が探しにくくなって手術時間が長引き、うさぎの体への負担が大きくなってしまいます。

また、腹腔内の脂肪の量が増えると、手術時の傷が大きくなり、術後の回復が長引いてしまいます。

ただ、1歳を超えたとしても遅すぎるということがありません。

思い立ったなら早いうちに手術することをおすすめします。

うさぎの避妊手術の費用は3~5万円

手術前の検査の費用も含めて、大体3~5万円です。

うさぎの避妊手術後気を付けること

うさぎは手術といういつもとは全然違う異常事態に、とても大きなストレスを感じています。

神経質になっていたり食欲が落ちたりする子もいますが、平気そうな様子の子もいます。

うさぎはストレスに弱い生き物です。

普段の様子との違いを見抜けるのは飼い主さんだけなので、いつもと違っておかしなところがないか、注意深く見守ってください。

少しでもおかしなところがあれば獣医さんに相談してみましょう。

まとめ

避妊手術については賛否両論ありますが、私は避妊手術はすべきだと考えています。

それは、うさぎの幸せは、

「いつまでも健康で、大好きな飼い主さんとできるだけ長く一緒にいること」

だと考えるからです。

避妊手術をするか、しないか。

飼い主さんにとってもうさぎにとっても、どちらが一番いいのか、獣医さんと相談しながらしっかりと検討しましょう。

こちらもおすすめ

1 COMMENT

miyabi

我が家の近くにあるうさぎさんの病院は2件ありますが、どちらも術前検査込で6万円~7万円ほどかかりました。都道府県によっても違ってくるのかもしれないですね。

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。