うっ滞などでうさぎが何も食べなくなった場合、獣医さんから強制給餌を行うよう指示されることがあります。
私がそうでしたが、急に強制給餌しろと言われても、やり方が分からなくて慌ててしまいますよね。
うさぎ側も慣れていないとストレスになってしまうので、できれば健康なうちに強制給餌の練習をしておいたほうがいいでしょう。
そこで、今回は、うさぎの強制給餌のやり方と事前に準備しておいたほうがいいものなどを紹介します。
事前に準備をしおいて、急な体調不良に備えておきましょう。
うちのうさぎは、晩年うっ滞を起こしてから食欲不振が続いて、斜頸気味に。
寝たきりに近い状態になってほとんど食べないので強制給餌が必要になりました。
うさぎの強制給餌に必要なもの、あったほうがいいもの
シリンジ
注射器みたいなあれです。
1回に与える量は20~40ccくらいなので、30cc(cc=ml)くらいのものを用意した方がいいでしょう。
ただ、慣れるまでは30ccを1回であげるのは難しいので、10ccを3本など用意して練習した方がいいかもしれません。
どちらにしても壊れたり汚れたりするものなので、複数本用意しておくことをおすすめします。
プラスチック製のものだと、強制給餌用のエサの固さによって、先をカットして使えるので便利です。
カットして使う場合は、流動食用と水用のシリンジは分けたほうがいいです。
パウダー状の食事
念のため常備しておくことをお勧めします。
固めのだんご状にして薬を混ぜて食べさせたりもできますが、うちは固めの状態では全く食べませんでした。
以下のような商品が販売されています。
水を少しずつ混ぜて固さを調整しながら流動食を作ります。
どうしても食べなければりんごジュースなどの好きなジュースで溶かすと食べてくれたりもします。
また、強制給餌が必要なときは、お腹の調子が悪いことがほとんどです。
お腹が冷えるのはよくないので、水よりもお湯で溶いてあげたほうがいいかもしれません。
すり鉢などでペレットをすりつぶして粉末状にできないかと挑戦してみたのですが、繊維が残ってしまい、完全な粉末にはなりませんでした。
そういう場合は、電動ミルでペレットを粉末にする方法があります。
私は試していませんが、いつも食べているペレットと同じ味なのでうさぎも食べやすくていいかもしれません。
アクアコール
簡単に言うとウサギ用のポカリスエットです。
電解質を効率的に摂取できます。
食欲不振で一番怖いのが水分不足からくる脱水症です。
脱水状態が長く続くと腎臓に負担がかかり、病気になることがあります。
アクアコールがあると、自力で水を飲めないときに、普通の水よりも効率的な水分補給ができるので、いざというときに便利です。
すり鉢
小さなすり鉢も用意しておきましょう。
乳酸菌やうさぎのチカラなんかのタブレット状のサプリをすりつぶしてエサと混ぜて入れてあげます。
アニマストラス
私は必ず紹介していますが、やっぱり高齢うさぎにアニマストラスは必須です。
食欲不振だと間違いなく盲腸糞も食べていないので、必要な栄養素(特にビタミン群)が不足しがちになります。
うさぎのビタミンの重要性については▼こちらをご覧ください。
うさぎが盲腸便(食糞)を食べないときに気を付けることアニマストラスには必要な栄養素のほぼすべてが入っているので、毎食に混ぜて必要な栄養を補っていました。
何故だかこれを飲ませていると毛がつやっつやになります。
顆粒と液体があるので、強制給餌には液体が便利です。
すぐなくなってしまうので100mlよりは250mlがおすすめです。
ただ、アニマストラスの液体は、顆粒とちがって微量のアルコールを含んでいます。
瓶から出した後、数分~10分放置してアルコールを気化したほうがより安全です。
乳酸菌
病院に行けば薬と一緒に処方されるかもしれませんが、食欲不振になると、腸内環境も悪化するので、乳酸菌のサプリをすりつぶして入れてあげたほうがいいです。
うさぎの胃腸の調子を整える、おすすめサプリ!毎日おやつにあげれば健康で長生きしてくれます。くれぐれも自己責任でお願いしたいのですが、私は1日1回1粒だけビオフェルミンを混ぜて与えていました。
うさぎの強制給餌のやり方
事前に準備するもの
- 流動食を入れたシリンジ
- 水(アクアコール)を入れたシリンジ
- 口をふくためのティッシュなど
- タオル(必要な場合)
- ご褒美のおやつ
流動食はあまり水っぽくせず、どろどろの状態にします。
水っぽいと量と回数が増えることになってしまい、うさぎにとっても負担です。
水(アクアコール)は食べてしばらくした後に口の中に残った流動食を流すためにあげます。
強制給餌をする場所
下で紹介している動画のように暴れずに食べてくれる子ならいいのですが、大抵のうさぎが最初は暴れると思います。
一番危ないのは、暴れてケガをしてしまうこと。
床で暴れてしまう子は、つるつる滑る机の上だと、案外警戒して飛び出さなくなります。
また、うさぎの知ってる場所=テリトリー内だと逃げることができると思って暴れるので、うさぎが普段入らないキッチンや洗面所、お風呂などでも緊張して委縮するのでおすすめです。
私はうちのうさぎの暴れるタイミングと制し方を把握していたので、普通にケージの中であげてました。
与え方
「うさぎ 強制給餌」とかで動画検索するとたくさん出てきますが、以下の2つの動画の解説がとても分かりやすいです。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 暴れる場合はタオルで包む
- 胸のほうを少し高くしてあげる
- 横の前歯と奥歯の隙間からシリンジを入れる
- 口に入れたシリンジを縦(斜めくらいでOK)にして少し奥に入れる
- 1回の咀嚼で1~2ccずつ流し込む
- 流動食を食べ終わったら水をあげる
- 最後は口周りをキレイに拭いてあげる
- べた褒めして、必要ならご褒美のおやつをあげる
仰向けにして与える動画も出てきますが、おすすめしません。
仰向けにすると流動食が気道に入ってしまう可能性が高くなります。
うさぎによってもベストなあげかたは違ってくるので、こればかりは練習してみるしかありません。
我が家の場合
私の場合は、ゲージの中で頭を前から固定して普通に前から与えていました。
左手の中指を額から後頭部にかけておいて、親指と小指で両あごの端を支える感じです。
ちょうどうさぎにアイアンクローをかましてる感じになります。
親指をちょっとずらして前歯と奥歯の間を狙って、口の端からシリンジを挿入していました。
ときどき何故か前に突進して逃れようとするので、シリンジが口の奥に入りそうになって焦りました。
いっぺんに与えると口からぼとぼと出てきてしまうので、少量を数回に分けて少しずつ入れてあげます。
最初は嫌がりましたが、慣れてくると普通にもぐもぐ食べてました。
水の場合はやや口の奥に入れてあげないと口の端からこぼれてしまいます。
少し上を向かせてあげると飲みやすいようでした。
終わったら口周りを拭いてあげてください。
うちのうさぎは体調が悪いと自分で口まわりを掃除することもできなかったので、ほっといたらあごの毛についた流動食が乾いてかぴかぴになってて、取るのが大変でした。
うさぎの強制給餌の量と回数
量については個体差と病状によるので何とも言えないのですが、一回20cc程度を一日3~4回で与えるとは言われています。
ただ、ネザーランドドワーフ程度の重さならこのくらいでいいとしても、1.5kg以上のうさぎの場合は、これでも足りないのはないかと思われます。
1回に与える量は20cc~40ccくらいが適量だと思うので、1日の必要量から逆算して最低でも1日3回はあげたほうがいいでしょう。
水は体重100gに対して5~10mlくらいが1日に必要な量なので、1.5kgのうさぎの場合は75~150mlは必要です。
体重や病状にもよるので、獣医さんに相談して決めましょう。
強制給餌の最終目標は自力で食べられること
1回強制給餌を行うと、それが呼び水になって少し自分でも食べだすことがあります。
自分からは食べに行かないけれど、口元にもっていくと食べることがあります。
最初少し強制給餌した後は、一応ふやかしたペレットや牧草を口元までもっていってあげて、自分で食べられないか試してみましょう。
うさぎは一度くわえると吐き出すことができないので、牧草を口の端から無理に押し込むと食べてくれたりもしました。
最終的には体調を回復させて自力で食べられることが目標ですので、ときどき試してみてください。
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