Android版“探す”が「Find Hub」に進化でUWBが解禁!Apple AirTagみたいに数センチ単位の追跡が可能に

このページのリンクには広告が含まれています。

鍵や財布をどこに置いたか思い出せず、家の中を右往左往した経験はありませんか?

Apple AirTag の登場以降、“落とし物探し”は 超広帯域無線(UWB) を使った「数センチ単位」の精密さに到達しました。

ですが、Android対応のスマートタグ(スマートトラッカー)で物を探しても、「大体の場所しか分からない」「最後に接続した場所しか表示されない」 という壁がありました。

そんな中、Googleは2025年5月に「Find My Device(デバイスを探す)」を「Find Hub(検索ハブ)」へリブランディング し、待望の UWB 対応を公式発表しました。

この記事では、

  1. Find Hub が採用する UWB の仕組みとメリット
  2. UWB 対応タグ のラインアップ
  3. Apple AirTag/探すネットワークとの比較
  4. 日本のスマホ事情を踏まえた 今後の普及シナリオ

を、詳しくない人にも分かるように分かりやすく解説します。

\ 欲しかったモノがお得に買える /
Amazonタイムセール

「Find My Device」が「Find Hub」へ ー 名前以上に大きな進化

Google Find Hub

GoogleはこれまでAndroidユーザー向けに「Find My Device(デバイスを探す)」アプリを提供し、スマートフォンやタブレット、イヤホンを探せるようにしてきました。

リブランディング後の「Find Hub(検索ハブ)」は、“デバイス”の枠を超え、Bluetooth/UWB タグを付けた荷物や家族・友人の位置共有まで一元管理 できる“ハブ”型サービスへ進化します。

さらに、今回の発表では UWB 以外にも

  • 衛星通信(2025年後半に提供予定:圏外でも位置共有を可能に)
  • 航空会社連携(2026年初頭から Aer Lingus・British Airways などが順次対応予定)

といった“長距離補完”の新機能も予告されています。

超広帯域無線(UWB)とは?

「UWB(Ultra Wideband)」は、数センチ単位の位置測定が可能な無線通信技術のこと。

通常のBluetoothは電波強度で距離を推定しますが、UWBは「飛んだ時間」を測定し、正確な距離と方向を把握することができます。

AppleではAirTagでこの技術がすでに導入されており、「正確な場所を見つける」機能を実現しています。

項目BluetoothUWB
測位方法電波強度(RSSI)で距離を推定電波の往復時間を測定し、距離と方向を算出
精度数 m〜10 m 前後数 cm 単位
主な用途ワイヤレスイヤホン、簡易トラッカー精密測位、スマートキー、スマホ間ファイル送信

Bluetooth は「電波が強い=近い、弱い=遠い」という “音量” を手掛かりに距離を推定します。一方 UWB は、ナノ秒レベルの“電波が往復する時間”を直接測るため、図上でコンパスを使うようにピンポイントで座標を描けます。

現時点でUWBチップを搭載する主なAndroid端末は Pixel Pro シリーズ、Galaxy S Plus/Ultra系、Motorola Edge 50 Ultraなど一部ハイエンドのみ。

対応端末はまだ少数派ですが、Find Hubの正式ローンチを機にミドルレンジ端末へも拡大する可能性があります。

UWB対応タグは何が出る? ー 「moto tag」が先陣

Googleの発表によると、UWBの対応は2025年5月末からとなる予定で、Motorola製「moto tag」が最初のタグとなるとのこと。

moto tagは、2024年夏からUWBを搭載していたのですが、これまでは特に使われていなかったので、ようやく本来の性能が引き出されることになります。

moto tagはUWBとBluetoothを両搭載し、スマホから半径30 m以内ならBluetooth、より近づくとUWBに切り替わって矢印と距離をAR表示します。

例:
玄関に置いたバッグの中 → Bluetooth で“ここら辺”を表示
バッグに顔を近づけると → UWB が起動し「左に 0.3 m」まで誘導

この他、検索ハブのサイトでは、以下の製品が対応製品として挙げられています。
(現在は非対応ですが、今後対応バージョンが発売されるようです。)

スマートタグ

ワイヤレスイヤホン

メーカー製品名
JBLJBL Tour Pro 2
JBL Tour One M2
SonySony WH-1000XM5
Sony LinkBuds S

Find HubはApple AirTag と何が違う?

Find HubAirTag
近距離精度数cm(UWB)数cm(UWB)
OSシェア(日本)Android 38.6 %iOS 61.1 %
OSシェア(世界)Android 71.9 %iOS 27.7 %
衛星通信位置情報共有を2025年後半予定緊急SOSのみ対応
航空会社連携2026年〜(Aer Lingus など)2024年〜 United, Delta ほか

ポイントは“地域差” です。日本はiPhoneのシェアが 6 割を占めるため、しばらくは AirTag のほうが「拾われやすい」状況が続くでしょう。

一方、世界市場ではAndroidが7割を超えており、海外旅行や国際輸送では Find Hubのネットワークが威力を発揮しそうです。

また、Find Hubでは2025年後半には、デバイスが圏外であっても衛星通信による位置情報の共有ができるようになる予定で、登山などにおいて、iPhoneの緊急時のSOS通信とは違った方法での安全確保に役立つことになるでしょう。

Find Hub(UWB)が変える日常シーン

基本的にはAppleのAir Tagと同じことができるようになるイメージで、以下のような日常のシーンで役立ちます。

  1. 家の中での鍵探し
    クッションの下・ソファの隙間に落ちた鍵も、スマホ画面の矢印が誘導。
  2. 空港でのロストバゲージ
    2026 年以降は航空会社のシステムとリンクし、搭乗ゲートで荷物が今どこにあるかを UWB で即時確認。
  3. アウトドアの安全確保
    山岳地や圏外地域でも衛星通信を介して家族と位置共有。遭難やはぐれのリスクを軽減。

今後の展開とAndroidユーザーとしての期待

Googleの「Find Hub」でUWBが導入されたことは、Androidユーザーにとって大きな進化です。

ですが、その便利さを実感できるかは、今後の普及次第と言えるでしょう。

まず鍵を握るのは、UWB対応スマホの増加です。

現在、UWBに対応している端末は、Pixel ProシリーズやGalaxy Sシリーズなど一部のハイエンドモデルに限られています。

今後、そのほかのミドルレンジからもUWB対応端末が登場すれば、より多くのユーザーが「数センチ単位で探せる」快適さを体験できるようになります。

また、UWBに対応したスマートタグもポイントです。

現時点ではmoto tagが唯一の対応タグとして発表されていますが、Anker Eufyなど、他のメーカーも続々と対応を計画しています。

AirTagだけのAppleと違って選択肢が多いのはAndroidの嬉しいところ。

最後に、安全に使うための配慮も大切です。

Androidでも「探す」体験がここまで進化する時代。

UWB対応のFind Hubは、これからのAndroidユーザーに新しい安心をもたらしてくれるでしょう。

まとめ──「探す」体験は Android でも“ピンポイント”へ

GoogleのFind Hubは、UWB・衛星通信・航空会社連携という 3 本柱で、「Android では精度がイマイチ」という過去のイメージを塗り替えようとしています。

  • UWB により 数センチ単位で方向と距離を AR 表示
  • 世界 70 % 超の Android 端末がネットワークに参加
  • 2025 年後半からは 圏外でも衛星経由で追跡
  • 2026 年には 空港での荷物紛失対策 も実用化

日本では iPhone 優位が続く一方、両ネットワーク対応タグの登場や Android UWB 端末の拡大で、状況は急速に変わるかもしれません。

「落とし物が見つからないストレス」は、そう遠くない将来、完全に過去のものになるかもしれません。

こちらもおすすめ