イヤホンやヘッドホンは、価格やスペックだけでは自分に合うか判断しにくい製品です。
音の好みだけでなく、電車で使うのか、自宅で作業しながら使うのか、周囲の音を聞いておきたいのかによって、選びやすいタイプも変わります。
gadgetlogyではこれまで、ワイヤレスイヤホン、イヤーカフ型イヤホン、ヘッドホン、有線IEMなどを実際に使ってレビューしてきました。
このページでは、その中から現在おすすめしやすいモデルを、単純なランキングではなく「どんな使い方に向いているか」で整理しています。
レビューには提供・貸出製品を含む場合もありますが、評価やおすすめの判断は実際に使った結果を基準にしています。
自分の使い方に合うイヤホン・ヘッドホンを探す参考にしてください。
結論|用途別に選ぶならこのイヤホン・ヘッドホン
最初に考えたいのは、細かなスペックよりもどこで、どのように使うかです。
電車や人の多い場所ではANC付きのカナル型、自宅で家事や仕事をしながら使うなら耳を塞がないイヤーカフ型など、使用環境によって向いている製品は変わります。
実際に使った中から用途別に選ぶと、現在は次のようになります。
| こんな使い方 | おすすめ | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 電車・外出で音質もANCも重視 | SOUNDPEATS Air5 Pro+ | 解像感の高い中高音と厚みのある低音、しっかり使えるANC |
| 普段使い・映画・動画&デザイン重視 | Nothing Ear (a) | 自然で疲れにくい音で、映像コンテンツとの相性も良い |
| 家事・作業のながら聴き | EarFun Clip 2 | 耳を塞がず、オープンイヤー型として音質も良好 |
| 価格を抑えてイヤーカフ型を選びたい | SOUNDPEATS UU2 | 音質・装着感・使い勝手と価格のバランスが良い |
| ボーカル・中高音を重視 | NUARL νClip | クリアで解像感の高い中高音 |
| 在宅ワーク・PC作業 | HAYLOU S30 Pro | 長時間使いやすい手頃なワイヤレスヘッドホン |
| 初めて有線IEMを使う | KZ ZST PRO X | 手頃な価格ながら中高音の解像感・分離感が高い |
1台ですべてをこなす必要はありません。
特にカナル型とイヤーカフ型では使い勝手が大きく異なるので、外出時はANC付きカナル型、自宅ではイヤーカフ型というように使い分けるのも便利です。
実際に使っておすすめしたいイヤホン・ヘッドホン
それぞれの特徴をもう少し詳しく比べると、次のようになります。
| 製品 | タイプ | 音の特徴 | ANC | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| SOUNDPEATS Air5 Pro+ | カナル型 | クリアな中高音+厚みのある低音 | 強め | ワイヤレス充電非対応 |
| Nothing Ear (a) | カナル型 | 自然で聴きやすく低音もしっかり | 強め | ANCに圧迫感を感じる場合あり |
| EarFun Clip 2 | イヤーカフ | 低音から中高音までバランス良好 | なし | 静かな場所では音漏れに注意 |
| SOUNDPEATS UU2 | イヤーカフ | 価格以上にしっかり鳴る | なし | 一部の便利機能を省略 |
| NUARL νClip | イヤーカフ | 中高音がクリアで解像感が高い | なし | 低音量感や最大音量は控えめ |
| HAYLOU S30 Pro | ヘッドホン | 癖が少なく聴きやすい | 控えめ | 強力なANC目的には不向き |
| KZ ZST PRO X | 有線IEM | 中高音がクリアで分離感が高い | ― | 重低音はやや控えめ |
音質とANCを重視するなら|SOUNDPEATS Air5 Pro+

カナル型ワイヤレスイヤホンで、音質だけでなくANCもしっかり欲しい人にはSOUNDPEATS Air5 Pro+が向いています。
特に印象的だったのが中高音の解像感です。
ボーカルや楽器の輪郭がはっきりしていて、それでいて低音にも厚みがあります。
ANCもしっかり使えるので、電車や街中など周囲の音が気になる場所にも向いています。
一方、ワイヤレス充電には非対応です。便利機能をすべて揃えることより、音の良さと静けさを優先したい人におすすめです。
→ SOUNDPEATS Air5 Pro+の実機レビューを読む
デザイン重視&普段使いや映画・動画なら|Nothing Ear (a)

毎日気軽に使えるカナル型として気に入っているのがNothing Ear (a)です。
まずは何よりも他にはない、かっこいいデザインが最高。
音質は、強く解像感を主張するタイプというより、自然で聴きやすく、長時間でも疲れにくい音という印象があります。
低音もしっかり出るため、音楽だけでなく映画や動画との相性も良好です。
複数のイヤホンを使い分けていても手に取る機会が多く、スペックには表れにくい普段使いのしやすさがあります。
ANCも使えますが、人によっては圧迫感を覚える場合があります。
ANC性能だけを最優先するより、音・使いやすさ・デザインを含めたバランスで選びたい人に向いています。
家事・作業のながら聴きなら|EarFun Clip 2

自宅で家事や仕事をしながら使うなら、EarFun Clip 2はかなり使いやすいイヤホンです。
耳を塞がないイヤーカフ型なので、音楽を聴きながらでも家族の声やインターホンなど、周囲の音を自然に聞けます。
特に良かったのは、イヤーカフ型としての快適さと音質を両立していることです。
オープンイヤー型では弱くなりやすい低音もしっかり感じられ、中高音もきれいに伸びます。
自宅で使うオープンイヤー型としてメインにしたいと思えるほど気に入りました。
オープンイヤー型全てに言えることですが、静かな場所では音漏れに注意が必要なので、電車や図書館より、自宅・散歩・作業中のながら聴きに向いています。
価格を抑えてイヤーカフ型を選ぶなら|SOUNDPEATS UU2イヤーカフ

イヤーカフ型を試してみたいものの、できるだけ価格を抑えたいならSOUNDPEATS UU2が有力です。
手頃なモデルですが、音質・装着感・操作性のバランスがよく、単純な入門機という印象ではありません。
イヤーカフ型らしく耳を塞がず、日常的にも扱いやすいモデル。
イヤーカフ型とは思えないほどの音圧で、低音の響きでは他のイヤーカフ型イヤホンとは一線を画します。
一方、ワイヤレス充電や装着検知など一部の便利機能は省かれています。
便利機能をすべて求めるより、必要な部分を押さえて価格を抑えたい人に向いています。
ボーカル・中高音重視なら|NUARL νClip

イヤーカフ型でも、特に中高音の明瞭さを重視するならNUARL νClipが面白い選択肢です。
ダイナミックドライバーに加えてxMEMS「Cowell」を搭載しており、実際に聴いてもボーカルや高音域の輪郭がかなりクリアに感じられました。
一方、低音の量感や最大音量は控えめです。
そのため、重低音の迫力よりも、ボーカルや楽器の細かな表現、中高音の解像感を楽しみたい人に向いています。
万人向けというより、音の好みが合えば魅力の大きいイヤーカフ型です。
在宅ワーク・PC作業なら|HAYLOU S30 Pro

イヤホンではなくヘッドホンを使いたいなら、HAYLOU S30 Proは在宅ワーク用として使いやすいモデルです。
音の傾向は比較的癖が少なく、ボーカルも埋もれにくいため、音楽だけでなく動画や作業用BGMにも合わせやすいと感じました。
イヤホンのように耳の穴へ入れる必要がないので、長時間PCの前で使う用途にも向いています。
ANCは搭載していますが、強力なノイズキャンセリングを期待するモデルではありません。
自宅や比較的静かな場所で長時間使いたい人におすすめです。
初めて有線IEMを使うなら|KZ ZST PRO X

普段はワイヤレスイヤホンを使っていて、有線IEMも試してみたいという人にはKZ ZST PRO Xがおすすめです。
価格は手頃ですが、中高音の解像感と音の分離感が印象的で、楽器やボーカルの位置も分かりやすく感じました。
充電が不要で、ケーブルを交換できるのもIEMならではです。
一方、低音の量感はそれほど強くなく、ケーブルがあるぶん外出時の手軽さではワイヤレスにかないません。
ワイヤレスとは違う音の細かさを低予算で試してみたい人に向いています。
イヤホン・ヘッドホンの選び方
イヤホンやヘッドホンを選ぶときは、スペックを細かく比較する前に、まず使用環境からタイプを絞ると選びやすくなります。
カナル型かオープンイヤー型か


ワイヤレスイヤホンでは、耳を塞ぐカナル型か、耳を塞がないオープンイヤー型かが大きな分かれ目です。
| カナル型 | オープンイヤー型 | |
|---|---|---|
| 遮音性 | 高い | 低い |
| ANC | 搭載モデルが多い | 非搭載が多い |
| 低音 | 出しやすい | 構造上弱くなりやすい |
| 周囲の音 | 聞こえにくい | 聞こえやすい |
| 電車・外出 | ◎ | △ |
| 家事・ながら聴き | ○ | ◎ |
カナル型は耳を密閉するため外部の音を遮りやすく、ANCとの相性にも優れています。
反対に、イヤーカフ型などのオープンイヤー型は周囲の声や生活音を聞きながら使えるのがメリットです。
私の場合は外ではカナル型、自宅ではオープンイヤー型と使い分けています。
イヤホンかヘッドホンか
外へ持ち歩くなら、小さく収納できるイヤホンが便利です。
一方、自宅で長時間PCに向かうなら、耳の穴へイヤーピースを入れなくてよいヘッドホンも選択肢になります。

ただし、ヘッドホンは持ち歩きに場所を取り、夏場はイヤーパッド周辺が蒸れやすいのが弱点です。
- 外出・持ち歩き重視 → イヤホン
- 自宅・PC作業 → ヘッドホンも有力
- 耳を塞ぐのが苦手 → オープンイヤー型
くらいで考えると選びやすいでしょう。
ANCは使う場所で必要性が変わる
ANC(アクティブノイズキャンセリング)は、電車や飛行機、街中など騒音の多い場所で便利な機能です。
ただし、ANCが強ければ強いほど優れたイヤホンというわけではありません。
自宅で家族の声やインターホンを聞きながら使うなら、ANCそのものが必要ない場合もあります。
また、強いANCでは人によって耳が詰まったような圧迫感を覚えることもあります。
電車や飛行機ならANCを重視、自宅でのながら聴きならオープンイヤー型というように、使用環境から考えるのがおすすめです。
音の好みで選ぶ
「高音質」という言葉だけでは、実際に好みの音かどうかは分かりません。
イヤホンによって、
- 低音の量感や迫力
- ボーカルの近さ
- 中高音の解像感
- 音の広がり
などが異なります。
同じ「低音が強い」イヤホンでも、低音だけが前へ出るものと、中高音を潰さず厚みを出すものでは印象が違います。
気になるモデルが見つかったら、スペックだけでなくレビューで音の傾向も確認するのがおすすめです。
コーデックはスマホ側の対応も確認する
Bluetoothイヤホンでは、SBCやAACのほか、LDACやaptX系などさまざまなコーデックが使われます。
ただし、イヤホン側が対応していても、接続するスマートフォン側が同じコーデックに対応していなければ利用できません。
iPhoneではLDACやaptX系を利用できないため、対応イヤホンを接続した場合もSBCやAACで接続します。
一方、Androidでは機種によってLDACやaptX系を利用できます。
ただし、「LDAC対応=音が良い」「AAC=音が悪い」と単純には決まりません。
実際の音はドライバーやチューニング、装着状態などにも左右されるので、コーデックは判断材料のひとつとして考えるのがよいでしょう。
有線とワイヤレスはどちらがいい?
外出時の使いやすさでは、ケーブルのないワイヤレスが便利です。
一方、有線イヤホンには、
- 充電が不要
- Bluetoothの接続切れを気にしなくてよい
- 無線通信による遅延を避けやすい
- 比較的安価でも解像感の高いモデルがある
といったメリットがあります。
外出時はワイヤレス、自宅やPCでは有線というように使い分けるのもひとつの方法です。
イヤーカフ型を選ぶなら|実際に使った3モデルの違い
最近は、自宅ではカナル型ではなく、イヤーカフ型を使うことがほとんど。
耳を塞がず、家事や作業をしながら音楽を聴けるうえ、最近は音質面でも満足できるモデルが増えています。
ここでは、特徴の異なる
- EarFun Clip 2
- SOUNDPEATS UU2
- NUARL νClip
の3モデルを比べます。
| EarFun Clip 2 | SOUNDPEATS UU2 | NUARL νClip | |
|---|---|---|---|
| 一番の強み | 総合バランス | コストパフォーマンス | 中高音の解像感 |
| 音の傾向 | 低音から中高音までバランス良好 | 価格以上にしっかり鳴る | ボーカルや高音がクリア |
| 低音 | しっかり | 十分 | 控えめ |
| 操作 | 物理ボタン | 物理ボタン | ノック+物理ボタン |
| ワイヤレス充電 | ○ | × | ○ |
| 向いている人 | 迷った人・総合力重視 | 価格重視 | ボーカル・中高音重視 |
迷ったらEarFun Clip 2
3モデルの中で最も選びやすいのはEarFun Clip 2です。
低音から中高音までバランスがよく、装着感や操作性、ワイヤレス充電なども含めて大きな弱点がありません。
音質・装着感・機能をまとめて重視するならClip 2が第一候補です。
価格重視ならSOUNDPEATS UU2
価格を抑えるならSOUNDPEATS UU2です。
一部の便利機能は省かれていますが、音質や装着感が大きく犠牲になっている印象はありません。
イヤーカフ型をできるだけ手頃に試したい人に向いています。
中高音重視ならNUARL νClip
NUARL νClipは、3モデルの中でも音の個性が明確です。
低音の量感より、ボーカルや楽器の輪郭、中高音の細かな表現を重視する人に向いています。
つまり、
総合力ならClip 2、価格ならUU2、中高音ならνClip
と考えると選びやすいです。
イヤホン選びでよくある疑問
iPhoneでもLDAC対応イヤホンは使える?
使えます。
ただし、iPhone自体はLDACに対応していないため、LDACでは接続できません。
SBCやAACなど、iPhone側が対応しているコーデックで接続します。
LDAC非対応だからといって、イヤホン自体が使えないわけではありません。
オープンイヤー型は音漏れする?
カナル型より音漏れには注意が必要です。
耳を密閉しない構造なので、音量を上げるほど周囲へ聞こえやすくなります。
自宅や散歩では大きな問題になりにくいですが、図書館や静かなオフィス、電車などでは音量を控えめにした方が安心です。
ANCが強いイヤホンほどおすすめ?
必ずしもそうではありません。
電車や飛行機では強力なANCが便利ですが、自宅で周囲の声を聞きながら使うならANC自体が不要な場合もあります。
ANCの強さではなく、どこで使うかを先に考えるのがおすすめです。
ハイレゾやLDAC対応なら音質は良い?
対応しているだけで音質は決まりません。
ドライバーやチューニング、装着状態、音源なども大きく影響します。
ハイレゾやLDACは確認しておきたいスペックのひとつですが、最終的には実際の音の傾向が自分の好みに合うかの方が重要です。
まとめ|使う場所から選ぶとイヤホン・ヘッドホンは決めやすい
イヤホンやヘッドホンは、価格やスペックだけで決めるより、自分がどこで、どのように使うかから考えると選びやすくなります。
外出時に周囲の騒音を抑えたいならANC付きカナル型、自宅で家事や作業をしながら使うならイヤーカフ型、長時間のPC作業ならヘッドホンや有線IEMも便利です。
そのうえで音の好みや装着感、必要な機能を比較すると、自分に合うモデルを絞り込みやすくなります。
このページでは今後も、実際に使った製品をもとにおすすめや比較内容を更新していきます。