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評価:5
Ankerから凄い充電器が出ています。
AirPods Pro(ケース)とほとんど変わらない大きさなのに、USB-C×2、USB-A×1で、単ポート最大70W、合計最大67W出力と、めちゃくちゃパワフル。
Ankerの新たな独自設計によって高出力なのに超絶コンパクトを実現。
同クラスのこれまでの充電器ではなしえなかった衝撃の小ささです。
スマホ+タブレットとか、スマホ+ノートPCとか、スマホ+αの充電なら現時点ではこの「Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)」が最適解で間違いないでしょう。
ということで、今回は、搭載された新設計技術の何が凄いのか、なぜこの出力でここまで小型化できるのかを含め「Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)」をレビューします。
〇 ここがよかった
- 単ポート最大70Wで高速充電
- 世界最小クラスの小ささで持ち運びやすい
- USB-C×2、USB-A×1で使いやすい
△ ここは注意
- 3ポート使用時の急速充電はUSB-C1のみ
- 2ポート使用時のUSB-C2の22.5WはPPSのみ

ガジェットブロガー
バビ
東京在住のガジェット好き会社員ブロガー。
デザイン性の高いガジェット・スマホ・PC周辺機器を、実体験にもとづき200本以上レビューしています。
経験を活かした専門的かつ正直なレビューをお届けします。
Lit.Link
Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)の特徴・スペック・同梱品
- 単ポート最大70W出力で、スマホ・タブレットからMacBook Airにも急速充電が可能
- USB-C×2、USB-A×1の3ポート搭載
- 複数GaN+複数トランス搭載の最新技術で世界最小クラスの超コンパクト設計を実現
- 抜け落ちづらいプラグ設計
- 表面の特殊加工により、放熱性と指紋汚れ防止を両立
- 最新ActiveShield️ 4.0を初搭載し、高出力でも安全
項目 | 仕様 |
---|---|
カラーバリエーション | ブラック/ピンク/ホワイト/ブルー |
入力 | 100-240V~, 1.8A, 50-60Hz |
出力(単ポート) | USB-C1: 5V⎓3A / 9V⎓3A / 15V⎓3A / 20V⎓3.5A (70W Max) USB-C2: 5V⎓3A / 9V⎓3A / 10V⎓2.25A / 15V⎓3A / 20V⎓3.5A (70W Max) USB-A1: 5V⎓3A / 9V⎓2A / 12V⎓1.5A / 10V⎓2.25A / 11V⎓3A (33W Max) |
出力(2ポート) | USB-C1 + USB-C2: 45W + 22.5W or 60W + 5W USB-C1 / C2 + A1: 45W + 22.5W or 60W + 5W |
出力(3ポート) | USB-C1 + USB-C2 + USB-A1: 45W + 7.5W + 7.5W(合計最大67.5W) |
サイズ | 53mm × 43mm × 32mm |
重さ | 約 120 g |
型番 | A121A |

- 充電器本体
- 取扱説明書
- カスタマーサポート
Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)レビュー
外観:AirPodsケースとほぼ変わらない大きさ

Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)はブラック、ピンク、ホワイト、ブルーの4色展開。
私はホワイトを選びました。
外装に使用されているのは、リサイクル素材でありながら放熱性能にも優れたPCR素材。
特殊な加工による細かな溝によって織物のような模様が描かれています。
この表面加工によって、放熱性の向上と指紋汚れのつきにくさを実現し、機能性とデザイン性を両立しています。

手にしてまず驚くのはその小ささ。
私は3ポートタイプの充電器が好きでよく使うのですが、最大70W出力、2C1Aでここまで小さいUSB充電器に出会ったことがありません。
5.3×4.3cmの大きさは手のひらにすっぽりと収まる小ささです。

まさかと思って並べてみて驚愕。
AirPodsのケースとほとんど同じ大きさです。
(さすがに厚みは1.5倍くらいありますが。)

さすがに厚みは1.5倍くらいの3.2cm。
ポートはUSB-C1、USB-C2、USB-Aの3ポートが縦に並びます。
ポート面だけ見ると普通の3ポート充電器にしか見えません。

ポート面の反対側、プラグ面には、PSE認証などの各種認証とスペックが印字されています。
プラグはもちろん折りたたみ式なので、持ち運びにも向きます。

何度見てもこの角度で見た時の小ささに驚くのですが、重さも軽くて約120gしかありません。
Ankerの充電器のデザインて、いかにも”ガジェット”って感じで好きじゃなかったのですが、Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)は、リビングのインテリアにも馴染むデザインです。
複数GaN×複数トランスで小型・高出力を両立——Ankerの新設計を解説

Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)は、これまでの充電器とは全く違う、Ankeの新たな設計思想によって、小型化を実現しています。
その秘密をざっくり言うと、電力の要(トランス)を多基で分担し、GaNパワーICを複数枚で高速・高効率に駆動するアーキテクチャ。
熱と負荷を一点に集中させないことで、70W級・3ポートでも体積と発熱を抑えたまま安定供給できる——ここが小型化の芯です。
1) トランス複数化=“心臓”を分散してロスと発熱を減らす
「トランス」は充電器の心臓部。
家庭のACを、スマホやPCが使える電気へ絶縁・変換する要のパーツです。
従来のマルチポート充電器は大きなトランス1基に依存し、後段で配分・整流していました。
Ankerは発想を切り替え、トランスを複数搭載して役割を分担。これにより——
- 磁気部品の発熱源を分散(一点に熱がこもらない)
- 配線経路の短縮・単純化(二次側の“遠回り”が減る=ロス低減)
- 多ポート時の電力配分をきめ細かく(同時給電で粘る)
といったメリットが生まれます。
結果、小さな筐体でも余裕が出やすくなります。
2) 複数GaN搭載IC=高周波・低損失スイッチをチームで動かす
この複数トランスという回路思想により、GaN(窒化ガリウム)搭載ICを複数枚配置して並列処理が可能に。
複数枚で電力変換を手分けすることで——
- 変換効率が上昇→発熱を減少
- 実装上の熱密度を分散(ホットスポット抑制)
- ピーク負荷時でも安定(出力の“頭打ち”が起きにくい)
となり、70Wクラスの高出力でも体積を大きく削れる設計につながっています。
3) 「多トランス×多GaN」の相乗効果=小さく、冷たく、落ちにくい
磁気部品(トランス)と半導体(GaN IC)の両面で分散設計に振り切ることで、筐体内の熱だまりが減少。
その分、外装やプラグ構造の最適化(重心調整・プラグの保持性向上)が効きやすくなり、単ポート70W出力と3ポート同時運用をこのサイズで両立できているのです。
要するに、電力の作り方(トランス)と流し方(GaN)を同時に“多車線化”したから、このサイズで70W×3ポートなのに熱くならず安定して、小型化することができた、ということです。
これ、めちゃくちゃ凄い設計です。
USB-C×2+USB-A×1、単ポート最大70WでMacBook Airも急速充電

Anker Nano Charger (70W, 3 Ports) は、このコンパクトな筐体にUSB-C×2、USB-A×1の3ポートを搭載。
しかも単ポートは最大70W出力で、3ポート合計でも最大67Wとめちゃくちゃパワフルです。
テスターを使って充電性能を確認してみました。
まずはUSB-C1単体利用時の利用可能なPDO(電圧と電流の範囲)をチェック。

- Fix:5V⎓3.0A
- Fix:9V⎓3.0A
- Fix:15V⎓3.0A
- Fix:20V⎓3.5A
- PPS:5.0-11.0V⎓5.0A
- PPS:5.0-16.0V⎓3.0A
- PPS:4.5-21.0V⎓3.5A
最大70W出力となるのは20Vでネゴシエーションしたとき。
公称スペックには記載がないですが、PPSにも対応しているようです。
次に、真ん中のUSB-C2のPDOも確認してみます。

USB-C1と全く同じでした。
公称では10V⎓2.25Aがあるはずですが、検出されませんでした。
まあ、なくても問題はないのですが、ちょっと気にはなります。
また、Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)は、USB-Aでも最大33W出力に対応。
ただし、高速で充電するためには対応するケーブル(3.0A)&対応するデバイスである必要があるので、使い所はなさそうです。
テスターで実際に70Wを出力してみました。

20V⎓3.5Aで70W出力ができていることが確認できました。
試しにUSB-C1単ポートで手持ちのデバイスも充電してみます。

iPhone 16 Pro
14.56V×1.703A = 24.79W

iPad Pro 12.9インチ
14.53V×1.922A = 27.93W

M2 MacBook Air 13インチ
19.77V×0.050A = 0.988W
満充電状態だったので出力は低いですが、問題なく給電できています。
次に、2ポート使用時のUSB-C1のPDOを確認します。


- Fix:5V⎓3.0A
- Fix:9V⎓3.0A
- Fix:15V⎓3.0A
- Fix:20V⎓2.25A
- PPS:5.0-11.0V⎓5.0A
- PPS:5.0-16.0V⎓3.0A
- PPS:4.5-21.0V⎓2.25A
USB-C1+USB-C2の場合も、USB-C1+USB-Aの場合も同じで、公称どおり最大出力は45Wとなります。
今度は逆に、USB-C1+USB-C2の2ポート利用時の、USB-C2側のPDOを確認してみました。

- Fix:5V⎓3.0A
- Fix:9V⎓2.22A
- Fix:12V⎓1.67A
- PPS:5.0-11.0V⎓2.75A
スペック表示にある最大22.5WになるのはPPS対応の場合のみで、それ以外は最大20Wとなるようです。
USB-C×2で2つのデバイスを充電してみました。

USB-C1:iPad Pro 12.9 インチ
14.53V×1.878A = 27.29W
USB-C2:iPhone 16 Pro
11.3V×1.68A = 18.98W
先ほどのUSB-C1単体では15V⎓3.0Aでしたが、2ポート使用時のUSB-C2では12V⎓1.67Aでネゴシエーションしているので、やはり最大20Wに抑えられているようです。
最後は3ポート同時使用時の出力を見てみます。
3ポート使用時のUSB-C1のPDOをチェックしてみました。

2ポート使用時と同じPDOなので、USB-Cは最大45W出力となります。
次に3ポート使用時のUSB-C2側のPDOです。

公称では、3ポート使用時のUSB-C2+USB-Aは、7.5W+7.5Wとのことですが、確かに、USB-C2は急速充電ではなくなっていました。
実際に3ポート全部充電してみました。

USB-C1:iPad Pro 12.9 インチ
14.51V×1.975A = 28.65W
USB-C2:iPhone 16 Pro
4.50V×2.32A = 10.44W
USB-A:Google Pixel 7
5V×1.25A = 6.25W
ん?USB-C2は10Wで充電できてますね。
おそらく、USB-C2とUSB-Aは7.5Wずつに分散されるわけではなく、実際には合計15Wの範囲内でUSB-C2とUSB-Aで適切に分散されるんだと思います。
(実測では足すと16Wを超えますが、Pixel 7のアプリは目安値なので正確ではありません。)
どちらにしても3ポート使用時にUSB-C2は急速充電できなくなるので、常に3ポート同時使用するのではなく、普段は2ポートまでの充電にとどめて、時々USB-Aでワイヤレスイヤホンやスマートウォッチを充電する、みたいな使い方がいいのかなと思います。
壁から抜け落ちにくい安定した設計

Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)は、プラグ本体の根本に厚みを持たせて摩擦力を上げ、構造になっているので、コンセントにしっかり差し込み、不意に抜けてしまう事故を防ぎます。
また、本体の重心が緻密に調整されており、壁のコンセントに挿したときにケーブルの重みで傾いたり抜け落ちたりしにくい設計になっています。
これもトランス複数化により筐体に余裕ができた恩恵でしょう。
低温設計とActiveShield™ 4.0による過熱対策で安全面も◎
Anker Nano Charger (70W, 3 Ports) は、内部レイアウトとGaN系アーキテクチャの最適化により発熱を抑え、長時間の高出力でも筐体温度の上がりにくい“低温設計”を採用。
小型・高出力を両立しつつ「小さく、クールで、長持ち」を実現しています。
さらに安全面では、最新の温度管理システム「ActiveShield™ 4.0」を初搭載。
1秒間に約120回の頻度で温度を監視し、必要に応じて出力を自動制御することで、端末や充電器本体を過熱から保護してくれます。
就寝中の充電やマルチポート同時使用時でも安心。

実際に、テスターでMAX70Wに近い出力での放電を20分以上続けてみました。
普通、このクラスの充電器でこういう通常使用を超える出力を継続すると、高性能の製品でも多少表面が熱を持つもの。
なのですが、Anker Nano Charger (70W, 3 Ports) は、本当に全く熱を持ちません。
いや、ほんのり温かくもならないのはかなり凄いです。
Anker独自の多重保護(過電圧・短絡保護、温度管理など)も備わっており、総合的な“安全耐性”はこのクラスでもトップレベル。
高出力を日常使いするユーザーにとって、信頼して任せられる設計です。
まとめ:Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)がおすすめな人

と、いうことでAnker Nano Charger (70W, 3 Ports)をレビューしましまた。
実際に使用した私の評価は以下のとおりです。
5.0
〇 ここがよかった
- 単ポート最大70Wで高速充電
- 世界最小クラスの小ささで持ち運びやすい
- USB-C×2、USB-A×1で使いやすい
△ ここは注意
- 3ポート使用時の急速充電はUSB-C1のみ
- 2ポート使用時のUSB-C2の22.5WはPPSのみ
私の場合、日常的に充電するデバイスがスマホ×2とiPadで、週1くらいでワイヤレスイヤホンとスマートウォッチを充電します。
どれも同時に充電が必要になることはほぼなくて、あったとしても2台同時まで。
なのでこの2C1A構成が最適です。
単ポート最大70Wで、複数ポート使用時も最大45W出力だから、ここにMacBook AirクラスのノートPCも充電できます。
革命的にコンパクトなので持ち歩き用としては、2025年10月現在で、これ以上の充電器は他にないと思います。
Anker Nano Charger (70W, 3 Ports)がおすすなのはこんな人。
- ノートPC+スマホを1台の充電器でサッと同時充電したい人
- 出張や旅行用に小型・軽量な高出力アダプターを一本化したい人
- USB-C中心だがUSB-A機器もまだ併用している人
- 就寝中など長時間でも発熱が気になる安全重視の人
- デスク周りを省スペースでスッキリまとめたい人
特にデメリットらしいデメリットはないのですが、あえて言うなら「多くのデバイスを1つの充電器で複数同時に急速充電したい」という人には向きません。
というか、そんな人は特殊なので、ほぼ全ての人におすすめできる充電器です。
久しぶりに手放しで推せる充電器でした。