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評価:3.5
2025年4月にQi2の新バージョン「Qi2.2」が発表され、「Qi 25W」と呼ばれることに。
各メーカーからQi2 25W対応製品のリリースが決まる中、先日、UGREENがいち早く、世界初のQi2 25W対応モバイルバッテリーをリリース。
それが、今回レビューする「UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリー (10000mAh・30W)」です。
マグネットでピタッとくっついて最大25Wでワイヤレス充電。
内蔵USB-CケーブルとUSB-Cポートで有線も最大30Wの高速充電が可能です。
スマホのワイヤレス充電は次世代の領域へ。
ただ、このモバイルバッテリーはちょっと詰め込みすぎでデメリットも大きく、使い方にはコツが必要とも感じました。
そのあたりの使ってみた感想も含め、率直にレビューしていきます。
〇 ここがよかった
- Qi2 25W対応で最大25Wでマグネットワイヤレス充電できる
- USB-Cケーブル内蔵でこれ1台で完結
- 有線充電は入出力ともに最大30Wの高出力
(むしろ有線が速くて良い)
△ ここは注意
- 発熱で充電が遅い
- すごく大きくて重い
- 複数台充電はワイヤレスも有線もめちゃくちゃ遅い

ガジェットブロガー
バビ
東京在住のガジェット好き会社員ブロガー。
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経験を活かした専門的かつ正直なレビューをお届けします。
Lit.Link
Qi2 25Wって何?
そもそも「Qi2(チー・ツー)」は、AppleのMagSafeをベースとしたワイヤレス充電の共通規格。
磁石でピタッと位置決めする仕組みが加わり、コイル同士が正確に重なるため、ムダな発熱やロスが減って速く安定します。
「Qi2 25W」は、そのアップデート版です。
従来15W止まりだったQi2の出力を25Wへ引き上げ、マグネットでピタッと吸着する“次世代ワイヤレス”規格です。
UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーの特徴とスペック

- 世界初のQi2/2.2・25W認証モバイルバッテリー
- マグネット式ワイヤレス充電で最大25W出力
- USB-Cケーブル内蔵+USB-Cポートで最大30Wの高速充電
- モバイルバッテリー自体も最大30Wで充電できる
- 10,000mAh大容量で3台同時充電
- 電池残量が一目でわかる数値表示LED付き
- MCUスマートチップによる13重保護機能搭載
- トリクル充電モード搭載
項目 | 仕様 |
---|---|
バッテリー種類 | ポリマーリチウムイオン |
公称容量 | 10,000mAh(36.0Wh、2セル直列) |
定格容量 | 5,600mAh(5V/3A換算) |
ワイヤレス充電 | 最大25W(Qi2 25W) |
有線出力(内蔵USB-Cケーブル) | USB-C PD:5V=3A / 9V=3A / 12V=2.5A / 15V=2A / 20V=1.5A(最大30W) |
有線出力(USB-Cポート) | 上記と同等のPDプロファイルに対応(最大30W) |
有線入力(充電) | USB-C:5V=3A / 9V=3A / 12V=2.5A / 15V=2A / PPS:5.0-11.0V=3.0A(最大30W) |
同時充電 | ワイヤレス+USB-C:5W+7.5W(5V=1.5A) USB-C×2:7.5W+7.5W(5V=1.5A) ワイヤレス+USB-C×2:5W+合計7.5W |
充電時間(本体) | 約2時間(30W PD充電器使用時) |
表示 | 残量リアルタイムLEDディスプレイ |
安全保護 | 過電圧/過電流/過熱/短絡などの保護機能 |
サイズ | 約 L110.8 × W70 × H21 mm |
動作温度 / 保管温度 | 5–35℃ / 0–40℃ |
付属品 | 本体、USB-C充電ケーブル、取扱説明書等 |
外観レビュー

カラーは今までのUGREENにはなかった、iPhone Airのスカイブルーを思わせる淡いブルー。
良い色です。
マグネットで貼り付くスマホとの接触面は柔らかなシリコン製。
リング中央にはQi2 25W認証ロゴが印字されています。

形はワイヤレスモバイルバッテリーでは一般的な長方形の形状です。
サイズは110.8mm×70mm。
この面はプラ系の素材で、UGREENのブランドロゴが印字されています。

サイドの素材はメタル系。
アルミ合金でしょうか?
厚みは21mmと、ケース付きのiPhoneを2つ重ねたくらい。
設置されたLEDインジケーターでは残量を一目で確認できます。

スペックはLEDインジケーターと反対の面に細かく表記されています。

内蔵USB-Cケーブル、USB-Cポート、ボタンはサイドの同じ面に集約。
内蔵USB-Cケーブル、USB-Cポートどちらからも入出力することができます。


丈夫なUSB-Cケーブルは、ストラップとしての役割も担います。

ケーブル等の反対側には各種の認証表示。
もちろん日本のPSE認証も受けています。

iPhone 16 Proに貼り付けるとこんな感じで、カメラより下がすっぽり隠れます。
メリット
世界初Qi2 25W対応による最大25Wのマグネットワイヤレス充電
UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーは、世界で初めてQi2 25Wに対応したモバイルバッテリー。
マグネットで吸着して、対応するデバイスを最大25Wという高速で充電することができます。

iPhone 16 Proの場合、MagSafe充電で最大25Wのワイヤレス充電に対応。
ワイヤレス充電は、ただモバイルバッテリーをiPhoneに貼り付けるだけで自動で開始されます。
テストアプリを使ってワイヤレス充電の出力を計測してみました。

ほぼ最速の25Wで充電できています。
(iPhoneでは実際の数値は計測できないので、あくまで推測値です。)
とはいえ常に最大出力で充電し続けるわけではないので、後述しますが、0%からのワイヤレス充電では50%まで充電するのに60分かかります。

Google Pixel 10でも計測してみます。
Pixel 10では、新たに「Pixelsnap」としてマグネット式ワイヤレス充電に対応。
こちらも貼り付けるだけで自動的に充電が開始されました。
Pixel 10は最大15Wのワイヤレス充電が可能です。

こちらは5V×2.65A=13.25Wと、最大に近い出力で充電できています。

もちろんマグネットではないワイヤレス充電にも対応しているので、AirPods Proなどのワイヤレス充電対応のイヤホンも充電することができます。
内蔵USB-Cケーブル+USB-Cポートで有線充電でも最大30W
UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーは、内蔵ケーブルとUSB-Cポートで最大30Wの有線充電にも対応。
テスターを使用して、簡易的に充電性能をチェックしてみました。
まずは利用できる急速充電のリストです。

- USB BC DCP
- PD3.0
- PPS
- QC4+
- Apple2.4A
- Samsung AFC
- Huawei FCP / SCP
PD(Power Delivery)3.0はもちろん、PPSにも対応しており、一般的なスマホの急速充電が可能です。
内蔵ケーブルでもUSB-Cポートでも同じでした。
次に利用可能なPDO(電圧と電流の範囲)も確認してみます。

- Fix:5V=3.0A
- Fix:9V=3.0A
- Fix:12V=2.5A
- Fix:15V=2.0A
- Fix:20V=1.5A
- PPS:5.0-11.0V=3.0A
公称どおりのPDOで、最大30Wとなるのは、15Vと20Vでネゴシエーションしたときです。
手持ちのデバイスを色々充電してみました。

iPhone 16 Pro
15.15V×1.422A=21.55W
iPhone 16 Proは15V=2.0Aでネゴシエーションしています。

Google Pixel 10
8.894V×2.851A=25.35W
ほぼMAXに近い速度です。

iPad(A16)
15.12V×1.826A=27.61W

iPad mini 6
15.12V×1.286A=19.17W

SOUNDPEATS Capsule3 Pro+
5.066V×0.324A=1.641W
ワイヤレスイヤホンも問題なく充電できました。
最大30W出力と言いつつ、そこまでは出ていないモバイルバッテリーが多い印象なのですが、このモバイルバッテリーは、どのデバイスでも最大に近い出力で充電できていると感じました。
また、UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーは、低電流デバイスの充電にも対応。
ボタンを3秒長押しすると、トリクル充電モードがオンになり、低電流デバイス(イヤホン、スマートウォッチ等)を安定して充電することができます。
通常は微小電流だと自動停止しがちですが、このモードでは最小電流のしきい値を下げて通電を維持。
トリクル充電中はLEDインジケーターの一桁のところがくるくる回ります。
モバイルバッテリー本体への充電も最大30W

驚いたのは、デバイスへの充電だけでなく、モバイルバッテリー本体も最大30Wで充電可能ということ。
10,000mAhの大容量ですが、最長2時間以内で満充電することができます。
旅行や出先でモバイルバッテリーの残量が減っても、すぐに充電できてまた使い始めることができるのは便利です。
パススルー充電対応(本体充電しながらデバイスを充電できる)

本機はパススルー充電に対応。
USB-Cからの入力電力をまず接続デバイスへ優先供給し、余力で内蔵セルを充電する“電力パス”設計です。
独自の電力配分技術で同時充電時の出力を自動配分し、必要に応じてワイヤレス出力や有線出力を制御。
30W以上のPD充電器を使えば、デスク作業中はハブ的に、就寝前は本体も端末もまとめて効率よく充電できます。
なお、入力電力が需要を下回る場合は内蔵セルが補助し、発熱時は出力が自動で抑制。
過負荷を避けつつ安定させるチューニングです。
MCUスマートチップ+13重保護で“高出力でも安心”
UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリー は、MCUスマートチップが電圧・電流・温度を常時モニタリングし、必要に応じて出力を瞬時に最適化します。
過電流/過電圧/短絡/過充電・過放電/サージ/FOD(異物検知)などを束ねた13重保護により、Qi2の25Wワイヤレスや30W有線の高出力充電でも無理のない運用が可能。
さらにThermalGuard™が高温時は自動的に出力を抑えて本体と接続機器を保護します。
SmartChargeは、同時充電時の過負荷を避け、安定性と電池寿命の両立に寄与。
実用面でも、夏場の屋外撮影やナビ使用中の発熱を抑えつつ、安心して“置くだけ急速”を活かせます。
- SmartCharge技術
“賢い電力配分”。接続機器を検知し、最適な電力を配分を選択。同時充電時は合計出力内で自動的に割り振り、過負荷を避けながら3台同時充電などを実現します。 - ThermalGuard™
UGREEN独自の温度監視・保護システム。内部温度をリアルタイム(最大で毎秒200回)モニタリングし、過熱・過充電・過電流から守るために必要に応じて出力を調整します。
デメリット
発熱で充電が遅い(実測で検証)
iPhone 16 Proで0%からワイヤレス充電を開始して、10分ごとのバッテリー残量を記録してみました。
結果は以下のとおりです。
iPhone 16 Pro
時間 | バッテリー残量 |
---|---|
10分 | 9% |
20分 | 15% |
30分 | 30% |
40分 | 36% |
50分 | 43% |
60分 | 50% |
70分 | 57% |
80分 | 64% |
90分 | 69% |
100分 | 75% |
110分 | 80% |
120分 | 80% |
30分で30%充電され、60分では50%まで充電されています。
以前、22.5W出力の有線充電では、60分で75%くらいまで充電できていたので、それと比べると遅めです。
iPhone側で発熱による充電速度の制限がかかることが原因だと思います。
実際、80%到達には110分もの時間がかかり、そこからは発熱による充電停止で、そこから10分経っても充電されませんでした。
同じ、条件で、Google Pixel 10も試してみました。
Google Pixel 10
時間 | バッテリー残量 |
---|---|
10分 | 4% |
20分 | 10% |
30分 | 13% |
40分 | 14% |
50分 | 14% |
こちらの結果はかなり悪いです。
最初の数分は15W近い出力で充電されていましたが、内部温度の上昇とともに失速。
50分経っても14%までしか充電できません。
ただ、これはPixel 10側の制御の問題で、内部温度が38℃くらいになると急激に充電速度を落とすようです。
どちらにしても、背面に貼り付くモバイルバッテリーだと熱がこもりやすいため、Qi2 25Wと言っても思ったほど速度が出るわけではありません。
また、スマホの機種によってはスマホ側の制御によって、さらに低速になることも。
すごく大きくて重い

UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーの重さは約254gと、ずっしりとした重さを感じます。
iPhone 16 Proの重さはケース含めて200gちょっと。


2cmも厚みがあるため、スマホが3倍の厚みになってしまいます。
また、縦の長さもスマホに収まらず、少し下が飛び出てしまう感じに。

ですが、意外と手の収まりは悪くはありません。
ただ、貼り付けた状態だと450gを超えるかなりの重さで、この状態でスマホの操作を続けるのはなかなかしんどいです。
複数台充電はワイヤレスも有線もめちゃくちゃ遅い
UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーは複数台同時充電が可能ですが、その場合はそれぞれの最大出力がかなり落ちます。

ワイヤレス充電は最大5Wに、有線充電は内蔵USB-CとUSB-Cポート合計最大15Wにしかなりません。

Pixel 10をワイヤレス、Pixel 7を内蔵USB-C、iPhone 16 ProをUSB-Cポートで充電してみましたが、有線同士ではiPhone 16 Proの充電が優先され、Pixel 7は充電することもできていません。
正直、有線充電でスマホ1台を、ワイヤレス充電でイヤホンを充電するくらいでしか、複数台同時の充電は使えないと思います。
まとめ:UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリーがおすすめな人

ということで、UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリー (10000mAh・30W)をレビューしました。
私の評価はこんな感じです。
3.5
〇 ここがよかった
- Qi2 25W対応で最大25Wでマグネットワイヤレス充電できる
- USB-Cケーブル内蔵でこれ1台で完結
- 有線充電は入出力ともに最大30Wの高出力
(むしろ有線が速くて良い)
△ ここは注意
- 発熱で充電が遅い
- すごく大きくて重い
- 複数台充電はワイヤレスも有線もめちゃくちゃ遅い
確かにQi2による最大25Wのワイヤレス充電は魅力的です。
USB-Cケーブル内蔵で、他のケーブルなしでこのモバイルバッテリーだけで充電が完結するのも便利でした。
その一方で、出力の高さによる発熱も大きく、結果として最初以外は十分な速度で充電することができていません。
10,000mAhの大容量な上にQi2+双方向30W高出力を搭載したことで、重く大きくなっていますし、複数台同時充電は実用に向かない遅さ。
デメリットが大きくかなり癖のある製品なので、人によっては使い勝手が良い人と悪い人ではっきり分かれると思います。
外出時、移動中にスマホを充電しながら操作するような使い方ではなく、デスクやカフェでテーブルの上に置いて、ピタッと貼り付けて充電するような使い方がおすすめ。
重くて大きいのですが充電速度は速いので、複数デバイスを持っている人なら、1台ずつサッと短時間で30%だけ充電するのような使い方には向いています。
以上を踏まえると、UGREEN MagFlow Qi2 25W モバイルバッテリー がおすすめなのはこんな人です。
- 高速のワイヤレス充電を体感したい人
- ワイヤレスでも有線でも高速で充電したい人
- ケーブルを持ち歩きたくない人
- スマホ+タブレット+イヤホンなど、複数デバイスを持ち歩く人
- かさばってもいいからパワフルなモバイルバッテリーが欲しい人
最初は使い勝手が悪いと感じていたのですが、充電出力が高く、サッと短時間でバッテリーをある程度まで回復できるので、用途に合う方にはおすすめできるモバイルバッテリーです。