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評価:4
5千円台のワイヤレスヘッドホンに、どこまで期待していいのか。
HAYLOU S30 Proを手にしたとき、正直なところ僕のテンションは「在宅作業用のサブ機になってくれたら十分かな」くらいでした。
スペックを見ると、ANCに加えて Hi-Res Audio/Hi-Res Wireless 認証、LDAC対応と、数字の上ではかなり盛ってあります
でも、最終的に「アリかナシか」を決めるのは、スペック表ではなく、自分の耳と日常の使い勝手です。
この記事では、HAYLOU S30 Proの特徴やスペックを軽く整理しつつ、実際に数日使ってみて感じたこと──
「5千円台で”普通に”音が良いってどういうことか」
「ANCや外音取り込みはどの程度使えるのか」
「在宅作業用ヘッドホンとしてアリかどうか」
あたりを、できるだけ率直に書いてみます。
〇 ここがよかった
- LDAC対応で、5千円台とは思えない素直で聴きやすい音質
- クッションが柔らかく、装着感がやさしい
- 密閉性が高く、音楽を流せば外音が気になりにくい
- バッテリー持ちが良く、在宅作業用にちょうどいい
△ ここは注意
- 外音取り込み時の「サー」というノイズが気になる
- ANCの効きは控えめで、本気ノイキャン用途には不向き
PR この記事はメーカーから商品提供を受けて作成しています。とはいえ、使って感じたことは良い点も気になった点も含めて正直に書いています。

ガジェットブロガー
バビ
東京在住のガジェット好き会社員ブロガー。
デザイン性の高いガジェット・スマホ・PC周辺機器を、実体験にもとづき200本以上レビューしています。
経験を活かした専門的かつ正直なレビューをお届けします。
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HAYLOU S30 Proの特徴とスペック

- 最大約−43dBのハイブリッドANC(アクティブノイズキャンセリング)
- 40mmダイナミックドライバー搭載
- Hi-Res Audio認証相当の高解像度再生/LDAC対応(対応端末接続時)
- Bluetooth 5.4対応(約10m通信距離)
- 最大約80時間再生(ANCオフ時/ANCオン時はやや短くなる)
- 有線・無線両対応(3.5mm/AUXケーブル接続可)
- 着脱式ブームマイク付属(Proはeスポーツ用マイク同梱)
- 360°スペーシャルサウンド(空間オーディオ風エフェクト)モード搭載
- 低遅延モード(公称0.06秒クラス)でゲーム・動画もOK
- 専用アプリ(Haylou Sound)(ノイキャンモード変更、EQプリセット、ゲーミングモード切替など)
- マルチポイント対応(2台のBluetoothデバイスへ同時接続)
- 折りたたみ可能なオーバーイヤー型、合成皮革イヤーパッドで長時間使用を想定
- USB-C充電対応、10分充電で最大約5時間再生の急速充電に対応
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| カラーバリエーション | ブラック / ホワイト |
| マルチポイント接続 | 対応(同時2台まで) |
| ドライバー | 40mm ダイナミックドライバー |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~20kHz |
| 対応Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.4 |
| Bluetoothプロファイル | HFP / A2DP / AVRCP |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC(対応端末接続時) |
| 通信距離 | 約10m(障害物なし) |
| ノイズキャンセリング | ハイブリッドANC(最大約43dB低減)、外音取り込みモード搭載 |
| 低遅延モード | 約60ms(ゲームモード) |
| ハイレゾ対応 | 有線/ワイヤレスともに Hi-Res Audio 対応(LDAC 利用時) |
| バッテリー種類 | リチウムイオンポリマー |
| バッテリー容量 | 600mAh |
| 連続再生時間 | 約80時間(ANCオフ時) / 約50時間(ANCオン時) |
| 充電時間 | 約2.5時間 |
| 充電端子 | USB Type-C |
| 入力 | 5V = 1A |
| 有線接続 | 3.5mm オーディオジャック(付属AUXケーブル) |
| マイク | 本体内蔵マイク + 着脱式ブームマイク(※Proはブームマイク同梱) |
| 本体重量 | 約295g |
| その他機能 | 専用アプリ(Haylou Sound)対応、折りたたみ機構、会話モード、ENC通話ノイズリダクション |

- HAYLOU S30 Pro本体
- 着脱式マイク
- オーディオケーブル
- USB-A to USB-Cケーブル
- 取扱説明書
この価格帯のワイヤレスヘッドホンだと、いまだにSBC/AAC止まりのモデルも少なくありません。
その中で、S30 ProはHi-Res Audio/Hi-Res Wireless認証を取りつつLDACまで載せてきているのが、スペック面ではかなり攻めているポイントだと感じました。
HAYLOU S30 Proの外観:マットなアイボリーが好き
カラーはブラックとホワイトの2色がありますが、私はホワイトを選びました。


真っ白ではなく、マットなアイボリーカラーなので柔らかで洗練された雰囲気です。
アクセントカラーなどはなく、全てがアイボリー1色。

「HAYLOU」の「HAY」の 部分をズームしたようなロゴの入れ方がカッコいい。

Proモデルに付属するマイクの差込口、充電用のUSB-Cポート、3.5mmステレオジャックはヘッドホンのR側に集約。

同じく、電源や音楽再生中の再生/ 一時停止などを行うMFBボタン、音量ボタン、ANCボタンなどもR側の側面についています。

サイズ調整のために伸ばしたアームの中も同じアイボリーカラーなのは、この価格帯のヘッドホンにしてはこだわっているな、という印象です。

くるっと内側に折りたたむとかなりコンパクトになるので、外に持って出かけるのにも良さそう。
5千円台ヘッドホンに、正直そこまで期待していなかった
正直に言うと、HAYLOU S30 Proを手に取る前は「5千円台だし、在宅作業用に”音が出ればOK”なサブ機になってくれれば十分かな」くらいの期待値でした。
普段から、それなりの価格帯のイヤホンやヘッドホンを使っていると、どうしても「この値段ならこんなものだろう」というラインを心の中に引いてしまいます。
S30 Proも、スペックを見る限り「ちゃんとしていそう」ではあるけれど、音質についてはそこまで強い期待はしていませんでした。
ところが、実際に音楽を流してみると、その印象が少し変わります。
「あれ? 5千円台にしては、普通に音が良いじゃん」
最初に感じたのは、その素朴な驚きでした。
もちろんハイエンド機のような解像感や広がりを求める製品ではありませんが、「この価格帯ならもっと軽い音を想像していた」という意味で、良い方に裏切られた一台です。
音はどう?──「普通に良い」と感じたポイント
一番最初にS30 Proで聴いたのは、普段作業中に流しているような、ゆったりめのLo-fiとJ-POPでした。
新しいヘッドホンを試すときにありがちな「テスト用の音源」ではなく、いつものプレイリストをそのまま流してみる、という入り方です。
そこで感じたのは、
- 安価なヘッドホンにありがちな、極端に軽い音ではない
- 変に低音だけが強調されて、ボーカルが埋もれてしまう感じも少ない
- ボーカルの位置が遠くならず、「ちゃんと真ん中にいる」印象
というあたりでした。
ざっくり言うと:
- 低音:
必要以上にボワつかず、BGM用途なら十分に下支えしてくれるレベル - 中音:
ボーカルやメインのメロディがちゃんと前に出てくる - 高音:
シャリシャリしすぎず、耳に刺さる感じも控えめ
というバランスで、「5千円台のヘッドホンとしては、かなり素直に聴ける」と感じました。

ハイエンド機と聞き比べれば、もちろん差は分かります。
それでも、「価格を知ったうえで『まあこんなものだよね』と納得する」のではなく、
「この値段でここまで鳴ってくれるなら、全然アリ」
と前向きに思えるラインにきっちり乗っているのが、S30 Proの音の立ち位置だと感じています。
なお、LDAC対応だからといって、それだけで魔法のように音が良くなるわけではありません。
あくまで「高音質で送れるパイプが太い」という条件がそろっただけで、最終的な印象を決めるのはドライバーとチューニングです。
その意味で S30 Pro は、「5千円台で LDAC 対応」というスペックと、実際に耳で聴いたときの”普通に良い”という手触りがきちんと噛み合っているヘッドホンだと感じました。
専用アプリは今後に期待

専用アプリのHaylou Soundでは、ノイキャンの設定やプリセットの変更、ゲーミングモードの切り替え、ファームウェアのアップデートなどを行うことができます。

サウンドプリセットは「デフォルト」「ポップ」「Bass」「ロックンロール」「ソフト」「クラシック」の6種類から選べます。
低音好きの私はBassを選んでいますが、低音がしっかりのっていい感じ。

あと、「音楽」タブで、環境音を聴くことができます。
実際いくつか試してみましたが、5千円台のヘッドホンにそこまでの臨場感を求めるのは、さすがに酷かなと感じました。
専用アプリ全体の印象としては、デザイン面・機能面ともに他メーカーと比べると少し物足りない印象です。
今後アップデートで充実されていくのに期待。
ANCと外音取り込み、実際こう感じた
ANCはそこそこ。でもクッションと密閉感でだいぶ静かになる
S30 ProはANC(アクティブノイズキャンセリング)を搭載していますが、体感としては「強烈に効くタイプ」ではありません。
エアコンの送風音やPCファンのような、ずっと鳴っている低めのノイズは確かに弱くなります。
ただ、「世界が一気にスッと静まる」ような劇的な変化を期待すると、少し物足りなく感じるかもしれません。
ただ、その代わりと言っていいのかもしれませんが、柔らかなクッションと高めの密閉性がかなり効いています。

耳をすっぽり覆うイヤーパッドがふかっとしていて、物理的な遮音がしっかりしているおかげで、音楽を流してしまえば外音はほとんど気にならなくなります。感覚としては、
「強力なANCで無音の空間を作る」
というより、
「クッションとBGMで、自分だけの作業スペースをふんわり囲う」
という静けさの作り方です。
電車や飛行機など、騒音が多い環境で「本気のノイキャン」を求めている人には物足りないと思いますが、自宅のデスク作業や静かなカフェでのBGM用途なら、クッション+そこそこのANCで十分集中できると感じました。
外音取り込みは、静かな室内だと「サー」が気になる
一方で、「ここはちょっと惜しい」と感じたのが外音取り込みです。
静かな部屋で外音取り込みモードをONにすると、耳の中でずっと「サー」というノイズが鳴り続けているように聞こえます。
機能の特性上、完全な無音というのは難しいのですが、個人的にはこの常に乗っているサー音が気になってしまい、静かな室内で長時間使うのは厳しいと感じました。
外の環境ノイズが大きい場所であれば、この「サー」は周囲の音に紛れてそこまで気にならない場面もあるかもしれません
ただ、
「静かな部屋で、作業中に、外音取り込みを常時ON」
という使い方を想定しているなら、ここは事前に知っておいた方がいいポイントだと思います。

外音取り込みをメインに使いたい人は、このあたりは少し慎重に考えた方が良さそうです。
装着感とバッテリー持ち──在宅作業のお供としてどうか
S30 Proで好印象だったのが、装着感です。

イヤーパッドは柔らかく、耳の上からギュッと押さえつけるというよりは、耳の周りをふわっと包み込むような感触に近いです。
側圧も「ゆるゆる」ではないものの、長時間つけていて頭が締め付けられるような強さではなく、デスク作業のお供としてちょうどいいバランスだと感じました。
5時間ほどかけ続けて作業していても、耳の周りが痛くなったり、こめかみがズキズキするようなことはほとんどありませんでした。
ヘッドホンって、スペック上の数値よりも「長時間つけていられるかどうか」が結局いちばん大事だったりするので、ここは素直に評価したいポイントです。
バッテリー持ちについても、「気づいたら電池が切れている」というストレスはありません。
公称では最大約80時間再生をうたっていますが、実際のところも在宅作業で毎日数時間使う程度であれば、数日に一度ケーブルを挿しておけば十分、という感覚でした。
また、有線接続もできるので、万が一バッテリーが少なくなってきてもケーブルさえあれば使い続けることができます。
Proモデルは着脱式のブームマイクも付属しているので通話することもできます。
(私は「音楽+作業用ヘッドホン」として使っているので、マイク音質についてはまだ試していません。)

「在宅デスクの横に常時スタンバイさせておいて、PCやスマホとつないでBGMを流す」という使い方には、とてもフィットする一台だと思います。
操作系は物理ボタン式なので、再生/一時停止や音量調整で迷うこともほとんどなく、「触れば分かる」くらいの素直な使い勝手でした。
HAYLOU S30 Proレビューまとめ:こんな人におすすめ

ここまで使ってみて、「ここは良かった」「ここは注意しておきたい」と感じたポイントを簡単にまとめると、こんな感じです。
総合評価: 4.0
〇 ここがよかった
- LDAC対応で、5千円台とは思えない、素直で聴きやすい音質
- クッションが柔らかく、装着感がやさしい
- 密閉性が高く、音楽を流せば外音が気になりにくい
- バッテリー持ちが良く、在宅作業用にちょうどいい
△ ここは注意
- 外音取り込み時の「サー」というノイズが気になる
- ANCの効きは控えめで、本気ノイキャン用途には不向き
実際に使ってみたうえでHAYLOU S30 Proがおすすめなのはこんな人です。
- 在宅ワークやブログ執筆など、PC作業中にずっとBGMを流していたい
- 5千円台でハズレは引きたくない、最低限ちゃんとした音質は欲しい
- 強力なANCより、ふかふかのクッションと音楽でふんわり集中したい
- 机の横に常に置いておける、気楽に使えるヘッドホンが欲しい
一言でまとめるなら、HAYLOU S30 Proは
「5千円台で、自宅の作業時間を少し静かに、少し快適にしてくれる、肩の力が抜けたヘッドホン」
というポジションの製品だと感じました。



